研究課題/領域番号 |
25293198
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
市原 淳弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60203105)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 老化 / 骨格筋 / サルコぺニア |
研究実績の概要 |
平成26年度において、可溶型(プロ)レニン受容体[s(P)RR]過剰発現マウスおよび全長型(P)RR過剰発現マウスを作成した。s(P)RR過剰発現マウスに特に異常な表現型を認めなかったが、全長型(P)RR過剰発現マウスにおいて、速筋有意な骨格筋萎縮を認めた。したがって、プロレニンと結合する部位を含むs(P)RRの高発現のみでは細胞生命維持機構に影響を与えず、(P)RRが完全な形で高発現することによってのみ、細胞生命維持機構に悪影響を与えることが明らかとなった。また、萎縮した骨格筋において、Sirt1が高発現していることがWestern blott解析で明らかになり、従来から指摘されている(P)RRのATP6AP2を介したAutophagy修飾作用やWntシグナルへの作用の他に、(P)RRにはさらに新たな機能を有する可能性が考えられた。 また、現時点で、研究に供することのできる加齢性サルコぺニアのモデル動物は存在しないが、今回得られた全長型(P)RR過剰発現マウスは加齢によるサルコぺニアを研究する上で貴重なモデルマウスに成り得る可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予想された結果とは異なり病態発現には(P)RRの部分ではなく全長が必須であったこと、加齢性サルコぺニアのモデルマウスとしての有用性が考えられたことから、当初の計画よりも多くの検討すべき項目が増えたため。
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今後の研究の推進方策 |
全長型(P)RR過剰発現マウスを用いて、(P)RRの新たな病態発現メカニズムを解明すると共に、本マウスが世界初の加齢性サルコぺニアのモデルマウスとして有用かどうかを検討する。慢性腎臓病においては、全身の老化が促進し骨格筋も委縮傾向を示すことが知られているため、本研究課題のさらなる推進は、(P)RRによる骨格筋萎縮のメカニズム解明を通して、主たる目的である慢性腎臓病治療標的の創出につながると考えられる。
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