研究課題
成人発症で3~5年で呼吸不全で死に至る過酷な神経変性疾患、筋萎縮性側索硬化症(ALS)における運動ニューロン変性の新たなメカニズムを明らかにすることを目的としている。研究代表者らが報告し、症例蓄積を続けているfused in sarcoma(FUS)関連家族性ALS罹患者由来の疾患感受性ヒトALS細胞モデルを確立し、RNA病態解明に注力した基盤研究を行う。本研究により、新たなヒトALS細胞モデルの確立のみならず、細胞種特異的なRNA病態解明と新しい病態関連分子同定、さらには生体内におけるFUS関連ALS神経毒性伝播機構の解明をめざしている。本研究成果は、ALSのみならず他の異常蛋白蓄積病を呈する神経変性疾患の病態解明、治療法開発につながる。これまで、家族性ALS家系の集積により11家系のFUS遺伝子変異を同定した。そのうち、1家系2例のFUS関連ALS(FUS-ALS)罹患者より本学倫理委員会で承認された手順に則り同意を得て、皮膚生検を行った。これより初代培養線維芽細胞を樹立し、連携研究者の施設にてiPS細胞樹立に成功した。樹立したFUS-ALS疾患特異的iPS細胞株の品質管理を行うため、外来遺伝子ゲノム挿入部位の確認、未分化マーカーの発現、多分化能の確認を実施、良質なクローンを選択した。また、由来した罹患者と同一のFUS遺伝子変異確認も行った。神経分化後の比較によって対照細胞と疾患感受性の確認を行い、その成果をStemCell Reports誌に報告した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件)
Stem Cell Reports
巻: NA ページ: NA
S2213-6711(16)00062-X. doi: 10.1016/j.stemcr.2016.02.011.
Muscle Nerve.
doi: 10.1002/mus.25061.
Neurology Genetics
NG/2015/000729