血液神経関門(BNB)を構成する末梢神経微小血管基底膜の主成分はフィブロネクチン、コラーゲンtype IVとラミニンα5であり、ラミニンα4を主要成分の1つとする脳微小血管基底膜とは明らかに異なることがはじめて証明された。また、この違いは血液脳関門(BBB)、BNBを構成する細胞の差異による可能性が示された。ギラン・バレー症候群、CIDPをはじめとする末梢神経系の炎症性疾患でのT細胞浸潤は、多発性硬化症などの中枢神経疾患とは別の分子を介することが示唆され、グリア限界膜を持たないBNBでのT細胞浸潤阻止に、内皮細胞/ペリサイトを取り囲む基底膜が機能していることが想定された。
|