研究課題
動脈硬化巣の泡沫細胞は脂肪滴内にコレステロールエステル(CE) 蓄積したマクロファージである。CEを水解する酵素として、以前から知られていたホルモン感受性リパーゼ(Lipe)に加えて、私たちは中性コレステロールエステル分解酵素(NCEH1)を同定した。2者の酵素は中性域でのCE水解という共通機能を有する一方、Nceh1欠損においてのみ25水酸化コレステロール(25-OHC)に対する小胞体ストレス反応が亢進する。従って、マクロファージにおけるNCEH1発現誘導は動脈硬化巣のCEを除くだけでなく、小胞体ストレスや他の免疫細胞活性化などの脂肪毒性の軽減を伴って、動脈硬化抑制効果が期待される。これらの仮説を検証するために、Cre/lox系を用いて、リゾチームのプロモーターマクロファージ特異的にNceh1またはLipeを過剰発現するトランスジェニックマウス(Tg)を作成した。腹腔マクロファージにおけるNceh1、LipeのmRNA発現量は野生型に比して3倍程度高発現したラインを得た。今後、動脈硬化モデルマウスにNceh1またはLipe のトランスジーンを導入して、動脈硬化抑制効果を評価し、動脈硬化の新規治療法の開発につなげたい。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件)
J Lipid Res.
巻: 56 ページ: 998-1005
10.1194/jlr.M057406
J Pharmacol Exp Ther.10.1124/jpet.115.227348
巻: 355 ページ: 299-307
10.1124/jpet.115.227348.
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 466 ページ: 536-40
10.1016/j.bbrc.2015.09.065