研究課題
基盤研究(B)
初年度はR-Spondin1のパネート細胞に対する効果とdefensin産生に対する効果を検討した。ナイーブマウスにR-Spondin1を投与し、パネート細胞の増殖・分化をdefensin, MMP7による蛍光免疫染色によって可視化し検討した。その結果、R-Spondin1の3-6回投与によって、陰窩に存在するパネート細胞が有意に増加し、絨毛方向へと移動もみられたことから分化の可能性も示唆された。次に、パネート細胞機能に対する影響を検討するため、われわれの開発した糞便中抗菌ペプチドdefensinのELISA測定系を用いて検討した。その結果、腸管内容物中のdefensinの含有量が増加しており、R-Spondin1は機能的なパネート細胞の増殖作用があることが明らかになった。
2: おおむね順調に進展している
初年度の目標であった、R-Spondin1のパネート細胞に対する効果とdefensin産生に対する効果はほぼ確実に証明された。したがって、初年度は想定通りの成果が達成されたと判断した。
得られたデータをリピートし、統計学的有意差を検討し、データの確実性を検証する。次いで、R-Spondin1投与による腸内細菌叢などのホメオスタシスに及ぼす影響について詳細に検討を行う予定である。さらに、腸管GVHDや感染症などの疾患モデルにおいて、R-Spondin1のin vivoでの効果を検討するための予備実験に入り、治療応用の観点からの研究を展開する準備を行う予定である。
動物実験施設の改修に伴い、十分な研究スペースが確保できなかった。今年度は十分な実験スペースを確保することと、その他の実験スペースを有効利用することで対応する。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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