研究課題
R-Spondin1投与によってパネト細胞が増殖するメカニズムを検討するため、腸幹細胞由来の分化細胞を識別できるLgr5-Tomatoマウスを用いて検討した。その結果、R-Spondin1投与によって増加したパネト細胞は腸幹細胞由来であり、R-Spondin1は腸幹細胞に作用し、パネト細胞への分化を促進していることが明らかになった。次いでR-Spondin1による腸幹細胞、パネト細胞に対する効果がGVHDにどのような影響を与えるのかMHC半合致であるB6→BDF1モデルにおいて検討した。移植前後6日間投与のR-Spondin1投与によって腸幹細胞、パネト細胞ともに保護され、パネト細胞由来の抗菌ペプチドalpha-defensinの腸内への分泌能が保持された。腸内細菌叢のメタゲノム解析の結果、GVHDに伴う腸内細菌叢の偏移が抑制できることが明らかになった。とくにFirmicutes属の占有率はGVHDの軽症化に、Proteobacteriaの占有率はGVHDの重症化に関連していることが明らかになった。さらに抗菌ペプチドalpha-defensinの経口投与により腸内細菌叢が正常化できるかを検討した。alpha-defensinを合成し、投与することで、腸内細菌叢の一部正常化がみられた。このように抗菌ペプチドalpha-defensinの製剤化、あるいはR-Spondin1を用いた腸内環境のモジュレーションは移植成績向上にむけた治療応用が可能であると考えられた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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