研究課題
申請者らが、抗アポトーシス分子として単離したアナモルシン(Anamorsin, AM)は既知の抗アポトーシス分子とは類似の構造をもたない新規の分子である。AM欠損マウスは、身体が小さく、胎児肝における二次造血が傷害され、胎生後期に致死となる。申請者らはAMがAMのyeastホモローグであるDre2と同様に鉄硫黄(Fe-S)クラスター形成に関与することを明らかにし、また、Fe-Sクラスター形成のみではなく、細胞内の鉄代謝に重要な役割を果たしていることも明らかにしてきた。本研究では、AMコンディショナルノックアウトマウス(AM Flox/Floxマウス)を作製し、種々の細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現するトランスジェニックマウス(Cre-Tgマウス)と交配し、細胞種特異的AM欠損マウスの作製と解析をおこなった。最初に、造血幹細胞のAMを欠損させたTie2Cre-AM Flox/Floxマウスを作製したところ、貧血となり、胎生致死となった。これにより、AMは造血幹細胞においても必須の働きをしていることが明らかとなり、通常のAM KOマウスの胎生致死の原因も造血不全(貧血)が主たる原因であることが判明した。また、pIpC投与によって、AM欠損を誘導できるMxCre-AM Flox/Floxマウスを作製し、pIpCを投与したところ、造血幹細胞のアポトーシスの増加が観察された。さらに、生体レベルでの鉄動態に対するAMの働きを検討する目的で、肝細胞のAMを特異的に欠損させるAlbCre-AM Flox/Floxマウスを作製した。今までのところ、そのマウスはメンデル比通り生まれており、成獣マウスの肝臓は形態的には何も異常は認められていない。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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