研究実績の概要 |
CD150+CD41-CD34-c-Kit+Sca-1+Lin- (CD150+41-34-KSL) long-term (LT) hematopoietic stem cells (HSC), CD150-41-34-KSL short-term (ST) HSC, CD150+41+34-KSL repopulating common myeloid progenitors (rCMP)等を用いてSingle-cell PCRを行い、サイトカイン受容体、ケモカイン受容体等の発現を解析した。予測通り、c-Kit受容体はほぼすべてのLT-HSC, ST-HSC, rCMPに発現していた。また、c-Mpl受容体もぼぼすべてのLT-HSC, rCMPに発現していたが、ST-HSCでは約70%に発現がみられ、Lymphoid-primed multipotent progenitors (LMPP)への分化に伴い、さらに発現が低下することが明らかとなった。一方、G-CSF受容体はLT-HSC, ST-HSC, rCMPの約半数に発現しており、LMPPへの分化に伴い、発現細胞が増加することが観察された。gp130受容体はこれらの細胞の約80%に発現していたが、IL-6受容体alpha鎖、IL-11受容体alpha鎖の発現はほとんど検出されなかった。IL-12受容体はbeta1鎖またはbeta2鎖のどちらが発現している細胞を検出したが、両者を発現している細胞はわずかに検出されたのみであった。受容体発現解析結果はそれぞれのリガンドによる分裂誘導作用とよく相関することが明らかとなった。なお、ケモカイン受容体では各細胞にCXCR4が低レベルで発現していた。
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