研究課題
本研究ではCD34-Kit+Sca-1+Lin-(CD34-KSL)細胞をさらに分画してCD150+CD41-CD34-KSL(CD150+41-34-KSL)細胞をLong-term hematopoietic stem cells (LT-HSC)、CD150-41-34-KSL細胞をshort-term HSCとして用いた。これらの細胞の関係を明確にするため、40個のCD34-KSL細胞、20個のCD150+41-34-KSL細胞、および20個のCD150-41-34-KSL細胞を100万個の骨髄細胞(competitor cells)と共に放射線照射後のマウスに移植した。また、これらの細胞をSCF+TPO存在下で、1週間無血清培養し、培養細胞を100万個の骨髄細胞(competitor cells)と共に放射線照射後のマウスに移植した。移植後1年間に渡って末梢血のテスト細胞由来のキメリズムを観察した。その結果、CD34-KSL細胞中のLT-HSC活性はCD150+41-34-KSL細胞中に、ST-HSC活性はCD150-41-34-KSL細胞中にそれぞれ検出され、これまでの実験結果を裏付けた。さらに、CD34-KSL由来の培養細胞中に検出された、STおよびLT-reconstitution活性の殆どがCD150+41-34-KSL由来の培養細胞中に検出され、本研究の妥当性が検証できた。一方、さらなるLT-HSCの純化を試みた。その結果、さらに2種類のマーカーを加えることにより、single-cell transplantation assayにおいて安定して30%以上の頻度でLT-HSCを検出できることが示唆された。現在、再現性を確認するとともに、SCF+TPOおよびSCF+IL-12存在下無血清培養を行い、1個のLT-HSCに対するこれらのサイトカインの効果を比較検討中である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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