研究課題/領域番号 |
25293225
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高地 雄太 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 上級研究員 (60415156)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / rare variant / ケースコントロール関連解析 / 次世代シークエンサー |
研究概要 |
本研究は、関節リウマチ(以下RA)関連遺伝子におけるrare variantの包括的解析を目的とするが、初年度はRAのゲノムワイド関連解析によって同定されたNFKBIEおよびRTKN2を候補遺伝子として、次世代シークエンサーを用いたrare variantの同定を行った。12検体のDNAをプールしたうえで、コーディング領域をターゲットとして、Haloplex Target Enrichmentを用いてDNAライブラリの調整を行った。シークエンシングはIon PGMを用いて行った。同定されたrare variantの遺伝統計学的な評価については、これまで提案されているいくつかの手法の優劣を比較検討した。患者564人、コントロール564人の解析においては、いずれの統計学的手法を用いても、NFKBIEおよびRTKN2のrare variantとRA感受性との間に関連を認めなかった(P>0.05)。そこで、対象遺伝子を広げてNF-κBシグナル伝達経路における主要16遺伝子 についてもrare variantsの同定を行った。 NF-κB関連16遺伝子のうち、11遺伝子において遺伝子機能に影響を与えると予測されるrare variantsが同定された。関連解析の統計学的手法の比較においてはOptimal Sequence Kernel Association Tests (SKAT-O)が最も検出感度が高く、2遺伝子(RELA、 RELB)において関連を認めた(P<0.05)。この結果は、RAの病態に少なからずrare variantが寄与している可能性を示唆するものであり、さらなる検証を必要するものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は,プールDNAを用いたrare variantの同定手法の確立およびその統計学的解析法の評価を達成目標としたが,シークエンスした検体数が予定よりも少ないものの,他はおおむね予定通りの進捗であると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
初年度に解析した18遺伝子の結果については,検体数を追加してさらなる検証を行う.また,初年度はシークエンサーとしてIon PGMを用いたが,ここ1~2年でのシークエンシング技術の飛躍的進歩を考慮して,HiSeq2500などの利用も検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
次世代シークエンサーによる解析が予定よりやや遅れたため,試薬の購入を翌年度に繰り越した. 初年度に行えなかった解析については,よりスループットの高い次世代シークエンサー機器を用いることによって行う.また,繰り越した助成金はこのシークエンシングの試薬代購入に用いる.
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