研究課題/領域番号 |
25293245
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
佐山 浩二 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80187286)
|
研究分担者 |
白方 裕司 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50226320)
藤山 幹子 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60263935)
白石 研 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (80710863)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 自然免疫 / 角化細胞 / TGF-beta / インフラマソーム |
研究概要 |
1. Smadシグナルの解析。正常培養角化細胞をTGF-β刺激後にSmadシグナルを解析する。角化細胞を刺激後に細胞抽出液を作成し抗Smad2/3、抗リン酸化Smad 2/3抗体を用いてWestern blotを行い。その結果Smad経路の活性化を確認できた。 2.角化細胞のインフラマソーム活性化。正常培養ヒト角化細胞をTLR2, 3のそれぞれのリガンドであるpam3csk4あるいはpeptideglycan (PGN)、およびpoly-(I;C)、また環境抗原としてダニ抗原、ブタクサなどで刺激し、TLR経路の活性化およびインフラマソームの活性化をIL-1β, IL-18, IL-33のELISA、RT-PCRで確認した。 3.レンチウイルスベクターの作成、表皮特異的Smurf, Arkadia KOマウスの作成。培養細胞でsmurf/arkadiaの機能解析するために野生型、変異型のsmurf/arkadiaを組み込んだレンチウイルスベクターをすでに構築しており、現在実験に向けて増殖中である。Smurf, Arkadia遺伝子をloxP配列ではさみこんだ Smurf flox/floxマウス、Arkadia flox/floxマウスとK5プロモーターで発現するK5-Creマウスを準備した。交配することにより、K5-Cre/Smurf, Arkadia flox/+マウスを作成する。このマウスを再度Smurf flox/floxマウス、Arkadia flox/floxマウスと交配することによりK5-Cre/Smurf flox/ flox, Arkadia flox/ floxマウスを作成する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
角化細胞のSmadシグナルの解析、およびインフラマソーム活性化の解析はほぼ予定どおり進行している。さらに培養細胞のおける解析のために必要なレンチウイルスベクターはすでに構築済みで現在増殖中である。また、マウスの準備も整っており交配をすすめる予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
培養角化細胞のインフラマソームを解析する。角化細胞特異的なSmurf,Arkadia KOマウスを作成し、KOマウスの表現型の解析を行う。 1.角化細胞のインフラマソーム活性化のTGF-βによる抑制。さらにTGF-βで活性化が抑制されるかどうか、TGF-βの前処理後、刺激・解析し反応が減弱するかどうか検討する。 2. Smadシグナルの解析。培養角化細胞を刺激後にSmadシグナルを解析する。角化細胞を刺激後に細胞抽出液を作成し抗Smad2/3、抗リン酸化Smad2/3抗体を用いてWesternblotを行う。ネガティブフィードパックとして産生されるSmad7の産生はRT-PCR, Western blotにて確認する。Smurf,ArkadiaはSmadシグナルの制御因子として知られているが、Smurf,Arkadia自身の制御に関しては全く検討されていない。そこで、その発現を刺激後にRT-PCR,Western blot法にて検討する。 3. Smurf, Arkadiaの機能解析。レンチウイルスベクターを用いて培養角化細胞のSmurf,Arkadiaをの機能を増強、あるいは阻害しSmadシグナルがSmurfのノックダウンでは反応の増強、Arkadiaのノックダウンでは反応の減弱が起こるかどうか検討する。ノックダウンの確認にはRT-PCRを用いる。 4. KOマウスの解析。TGF-βシグナルは細胞の増殖・分化も制御しておりK5-CreKOマウスは表皮の構築にも異常を来している可能性がある。そこで、まずは表皮角化細胞の増殖と分化に影響がでていないか確認する。臨床的に評価した後、組織学的にはパラフィン切片を用いたHE染色で皮膚の分化異常を確認する。さらに、分化マーカーの発現を免疫組織学的に確認する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
ベクターをすでに作成済みであるが、大量培養を次年度に行う予定である。大量培養が初年度から次年度にずれこんだため大量培養にかかる経費が次年度に生じた。また、マウス作成解析にかかる経費も次年度にずれ込んだ。 培養細胞のおける解析のために必要なレンチウイルスベクターはすでに構築済みであるが、現在増殖中であり増殖に経費がかかる予定である。また、マウスの交配にともない解析に経費がかかる予定である。
|