研究課題/領域番号 |
25293251
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
上野 修一 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80232768)
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研究分担者 |
安部 賢郎 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (80444735)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | AGXT2 / 疾患対照遺伝子解析 / 動脈硬化 / 一酸化窒素 |
研究実績の概要 |
アラニン:グリオキシル酸アミノ基転移酵素(AGXT2)は、チミンの中間分解産物D-3-アミノイソ酪酸を唯一分解する酵素であるが、AGXT2には機能性多型があり、日本人の約3分の1でAGXT2活性を欠いていることがわかっている。AGXT2は、また、一酸化窒素合成を阻害する非対称性メチルアルギニンを分解し一酸化窒素合成を調節していることもわかっており、脳機能に大きな影響を与えている可能性が考えられる。我々は、今回、AGXT2活性と精神障害との関連を解析することを目的としている。 今年度は、AGXT2遺伝子に存在する4つの一塩基多型が機能性多型であることを統計学的に証明し、それぞれが独立してAGXT2活性に関係していることを示した。そして、1426名の日本人ボランティアの協力を得て、 頸部動脈の内中膜厚carotid intima-media thickness (carotid IMT)とAGXT2の機能性多型が関連することを明らかにした。carotid IMTは、動脈硬化と関連する指標であることがわかっており、AGXT2が血管障害による疾患に関与することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
AGXT2遺伝子の解析から、ヒトでの精神神経疾患を解析する研究に取り組んでいるが、今回は、ヒトで脳機能と関係する可能性のある動脈硬化の変化との関連を明らかにすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の結果から、AGXT2遺伝子と血管性変化が明らかになったため、この機能性多型と血管性の変化が予想される器質性精神障害を含めた精神障害の疾患‐対照遺伝子相関解析を行う予定である。
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