本研究では、我々がこれまでに開発を進めてきたアルツハイマー病のタウ病理を画像化するためのPETプローブについて、精密機能解析を基盤としてさらなる性能向上を目指したプローブ構造最適化に取り組んだ。結果として、従来プローブのアリール構造をピリジン構造に変え、側鎖のフロロプロパノールの立体構造をS-エナンチオマー型にすることで、脳内動態性を大幅に向上させ、白質への非特異的集積を低減させることができた。臨床PET研究により、アルツハイマー病患者で、タウ病理の好発部位である海馬傍回や下側頭回に高いプローブ集積を認めた。以上より、目的とするタウプローブの構造最適化を実現できた。
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