研究分担者 |
石田 康 宮崎大学, 医学部, 教授 (20212897)
間賀田 泰寛 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (20209399)
久下 裕司 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958)
玉井 郁巳 金沢大学, 薬学系, 教授 (20155237)
国嶋 崇隆 金沢大学, 薬学系, 教授 (10214975)
小林 正和 金沢大学, 健康増進科学センター, 助教 (30444235)
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研究実績の概要 |
本研究では、精神神経疾患薬物療法の最適化を目的として、神経機能に関連する放射性プローブを用いたイメージングにより同一個体における機能変化を評価するとともに、脳内遺伝子発現レベルの変化を解析し、薬効の個体差要因を明らかにする。さらに、治療効果に大きく影響する薬物代謝酵素活性や薬物動態の個体差要因となる機能性分子活性変動を患者個々に解析し、個別化薬物療法の基盤を与える新規分子標的放射性診断薬の開発を試みた。 これまでの検討において、偏側神経破壊パーキンソン病モデルラットの発症過程における脳内ドーパミン神経機能変化をドーパミンレセプターリガンドなどのPET製剤により解析し、行動薬理試験や免疫染色解析結果と相関する変化を示した。また、薬物投与モデルラットにおける薬物投与後の神経機能に関連する機能性分子発現レベルと神経機能変化との関連を検討した(Neurosci Lett,573:19-23, 2014)。 さらに、薬効の個体差要因である肝臓などの薬物代謝酵素活性を測定する目的で、新たに考案した分子イメージング法(日本国特許出願:2012-044231, 2012)に基づき、肝臓からの胆汁排泄機序の評価法を確立した(Nucl.Med.Biol.,41:338-342, 2014)。また、脳血流測定剤である123I-IMPのヒト肝ミクロゾームおよび組み換えヒトCYPによる代謝物を解析した結果、IMPの肝臓中第一反応代謝酵素はCYP2C19であることを明らかにし(Drug Metab.Dispos.,40:843-846, 2012)、その酵素活性測定法を考案した(Nucl.Med.Biol.,42:171-176, 2015)。さらに、生体内薬物代謝酵素活性を画像診断により個別に測定し得るに必要な条件を満たす候補標識化合物を合成し、その画像診断薬としての有用性を評価した(論文投稿中)。
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