研究課題/領域番号 |
25293265
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
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研究分担者 |
福本 巧 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70379402)
江島 泰生 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70423233)
西村 英輝 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80444610)
吉田 賢史 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80351906)
宮脇 大輔 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30546502)
赤坂 浩亮 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (20707161)
椋本 成俊 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (70634278)
上薗 玄 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (60546480)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 粒子線 / スペーサー |
研究概要 |
a本研究の目的は粒子線治療において、独自開発した吸収性スペーサーを用いて、治療期間時のみ空間創造・可変させ、これまでにない次世代放射線治療を確立することである。その中で以下の4項目を本年度の計画に据えた。1.吸収性スペーサーの作製と最適仕様の決定。2.体内吸収性スペーサーを用いた空間可変粒子線治療の物理的特性、安全性の確認。3.本治療法の小動物(マウス・ラット)実験による生物的安全性の確認。4.大型二本足動物(カニクイザル)を用いた長期安全性試験。そのうちスペーサーの製造法に関して改良に改良を重ね、最適の弾性を有し、粒子線治療に則した吸収速度のスペーサーを開発するに至った。動物実験ではある吸収性スペーサーでは体重減少や死亡例は認めないものの、ラットの剖検で腸管や腸間膜との癒着がやや強い印象があり、次年度以降に関して、製造法や埋植法に関して改良が望まれた。また物理的特性が100 Gyの陽子線、炭素イオン線で損なわれないとの基礎的データは有しているが、更に100 Gyの照射直後に小動物に吸収性スペーサーを埋植したが、観察上はこれまでの非照射の吸収性スペーサーと弾性や吸収速度など殆ど変化がなかった。カニクイザルを用いて8か月間の長期安全性試験を実施したが吸収性スペーサー埋植による毒性や有害反応は確認できなかった。これらの結果を含め、マウス・ラット実験による生物的安全性の確認をスペーサーの厚み・面積とスペーサーの体内吸収速度の関係の検証、スペーサー材質が吸収された後の腸管壁の損傷の有無、炎症細胞の浸潤の程度にフォーカスをあて検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
吸収性スペーサーの安全性、有効性の検証が、ほぼ実験計画通り進行しており、最適使用の決定に近づきつつある。
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今後の研究の推進方策 |
スペーサーの吸収率を遅らせるための、製造条件の改良が望まれる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の実行は予定通り遂行できたが、研究打ち合わせのために申請した旅費が、学内で打ち合わせが可能であったので、一部次年度に繰り越した。 本研究は世界初の試みであり、検証を重ねる必要と、意見交換が必要なので、研究打ち合わせを次年度以降、より計画し、外部有識者の意見も取り入れていく。
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