研究課題/領域番号 |
25293271
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
豊原 潤 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 専門副部長 (50425659)
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研究分担者 |
木村 裕一 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (60205002)
窪田 和雄 独立行政法人国立国際医療研究センター, 核医学科, 医長 (40161674)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 核医学 / 放射性医薬品 / 核酸 / 腫瘍 / 細胞増殖 |
研究実績の概要 |
がんの研究において、インビボでがん細胞の増殖を評価するために「DNA合成」を画像化することが求められている。これは、細胞増殖(=DNA合成)が、がんの最も基本的な性質であり、病理学的診断のゴールドスタンダードだからである。これに対して我々は正解で初めてDNA合成を直接的に画像化するPET薬剤11C-4DSTを開発し、臨床応用を達成することに成功した。11C-4DSTは様々ながん種での有用性が明らかになりつつあり、その普及が国内外で望まれている。 本研究では、DNA合成画像診断の普及を目指し、11C-4DSTを基礎として、デリバリー可能でかつ汎用性が高く、多施設での検査を可能にする18F標識4DST誘導体(以下、18F-4DST誘導体)の開発を試み、その臨床応用に達することを目的としている。 現在まで、インビトロ試験にて可能性が示されている18F-4DST誘導体3化合物の標識前駆体および標準品の合成を試みた。候補化合物はそれぞれ、4DSTの5-fluoro体、5-fluoromethyl体ならびに5-fluoroethyl体である。5-fluoromethyl体は単離後速やかに分解したため候補化合物から除外した。5-fluoroethyl体については標識前駆体の保護基を様々に変更し、最終的に、脱離基がTso体でN-Boc-3',5'-di-O-tolyl体でF-18標識が可能であった。F-18標識体について腫瘍移植マウスでの体内分布を確認したところ、脱フッ素が認められ、腫瘍への集積性も低かった。以上の結果から、5-fluoroethyl体も脱落し、残る候補化合物は5-fluoro体に絞られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、H26年度中に安全性試験へ入る予定であったが、5-fluoroetyl体の標識合成が予想以上に困難であったため、最終的な化合物の選択が遅れた。一方、これまでの結果から5-fluoro体以外を候補化合物から除外することは明確となった。
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今後の研究の推進方策 |
候補化合物を5-fluoro体に絞り込んだ。標識合成・有用性の評価を継続するとともに、並行して安全性試験の実施を行う。H27年度中には非臨床試験データを取り揃え、臨床使用に向けた取り組みを加速する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では、H26年度中に安全性試験へ入る予定であったが、5-fluoroetyl体の標識合成が予想以上に困難であったため、最終的な化合物の選択が遅れた。
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次年度使用額の使用計画 |
候補化合物を5-fluoro体に絞り込んだ。標識合成・有用性の評価を継続するとともに、H27年度では並行して安全性試験の実施を行う。
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