研究課題/領域番号 |
25293275
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
粕谷 英樹 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00402636)
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研究分担者 |
珠玖 洋 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80154194)
内田 宏昭 東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (20401250)
野本 周嗣 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (40300967)
山田 豪 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30467287)
小寺 泰弘 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10345879)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | HF10 / 腫瘍溶解性ウイルス / 悪性黒色腫 / ヒッチハイクメソッド / リンパ球療法 |
研究概要 |
本研究は、臨床研究が進められる腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルスHF10の全身性癌や転移癌への適応拡大も視野に入れ、腫瘍特異性を持たせたリンパ球の表面にHF10を吸着させ (ヒッチハイク法)、腫瘍溶解性ウイルスを血管内投与して腫瘍まで到達させる新規バイオ製剤の開発を目的としている。 HSVの細胞内entryに重要なgD, gB膜receptorを遺伝子改変しHSVに易感染性としたマウスメラノーマ細胞株であるB78H1細胞 (B78H1nectin) を作製し、これにovalbuminを発現するように形質転換したB78H1細胞 (B78H1nectin-ova) を作製した。またovalbumin 発現B78H1細胞(B78H1wt -ova)も作製し、計4種類の異なる性質のマウスメラノーマ細胞株 (B78H1wt, B78H1wt-ova, B78H1nectin, B78H1nectin-ova) の作製を完了した。これらの細胞株にHF10を感染させ、B78H1nectinおよびB78H1nectin-ovaが特異的に抗細胞効果を示すことを確認した。 また本研究で用いるovalubminアレルギーの特殊なTransgenic mouse (OT-1マウス) の安定した繁殖にも成功し、脾臓からリンパ球(OT-1 T-cell:ovalbumin産生細胞に集束し障害)の採取を行った。採取されたリンパ球はSIINFEKLペプチド (ovalbimin抗原)で刺激し、抗原特異的なCTLを誘導し、フローサイトメトリーを用いてCD8 T cellの存在を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた細胞株(B16)をB78H1細胞株に変更して再実験したこと、脾臓からのリンパ球の採取法をFicoll conray液比重分離法からmagnetic beads法にてより純粋にCD8優位に選別する方法も検討する事としたため、やや遅れているとの評価を行った。 作製したpNectin-1(HSVの細胞内entryに関与する発現ベクター)およびpGL 4.14 OVA(ovalbumin発現ベクター) をB78H1細胞株に遺伝子導入した。その後、G418、Hygromycine Bを使用してpurificationし、計4種類の異なる性質のマウスメラノーマ細胞株 (B78H1wt, B78H1wt-ova, B78H1nectin, B78H1nectin-ova) の作製を完了した。 その後、これらの細胞における抗細胞効果をMTT assayにより確認し、B78H1wt, B78H1wt-ovaがHF10非感染性であること、B78H1nectin, B78H1nectin-ovaがHF10易感染性に形質転換したことを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
マウス脾臓からOT-1 T-cellを精製し、SIINFEKL (ovalbuminペプチド)による活性化刺激を与えた後、フローサイトメトリーを用いて活性化OT-1 T-cell(CD8陽性、CD25陽性)の割合を確認する。またHF10の吸着したOT-1 T-cellが最も強い抗細胞効果を示す事をMTT assayにて検討し、HF10がOT-1 T-cellに非感染性であることをtitering をしてpfuを計測すると共に、定量PCRで計測する。定量PCRはHF10のHSV-1 DNA polymerase domain (UL30)に特異的なprimer pair (Forward: AGATGGCGAGCCACATCTC, Reverse: CTCCGGATACGGTATCGTC) を使用して行う。HF10はIL2刺激24時間後に1x10(6)のリンパ球に対して2x10(7)のHF10を3時間37度で吸着を行う事で1:1 (pfu)の吸着を得る。 さらに計4種類の細胞株 (B78H1wt, B78H1wt-ova, B78H1nectin, B78H1nectin-ova)を皮下投与して作製した腫瘍マウスモデルを作製し、HF10吸着OT-1 T-cellが最も強い抗腫瘍効果を示す事を確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた細胞株(B16)をB78H1細胞株に変更して再実験したことで細胞株の準備段階でやや時間がかかった事と、計4種類の異なる性質のマウスメラノーマ細胞株 (B78H1wt, B78H1wt-ova, B78H1nectin, B78H1nectin-ova) に対するHF10ウイルスによる細胞株ごとの感染親和性の違いの比較、殺細胞効果の違いは確認出来たが、リンパ球の細胞障害性を確認するための実験は、脾臓からのリンパ球の採取法をFicoll conray液比重分離法からmagnetic beads法にてより純粋にCD8優位に選別する方法も検討する事としたため、ovalubminアレルギーの特殊なTransgenic mouse (OT-1マウス) のリンパ球(OT-1 T-cell:ovalbumin産生細胞を障害)を使用してリンパ球による殺細胞効果をin vitroで示す所までは平成25年度内に進める事ができなかった。 平成25年度にovalubminアレルギーの特殊なTransgenic mouse (OT-1マウス) のリンパ球(OT-1 T-cell:ovalbumin産生細胞を障害)の採取方法が検討事項となった事が理由で平成25年度に若干の遅れが生じたたために平成26年度にmagnetic beads関連の物品、試薬とマウスメラノーマ細胞株 (B78H1wt, B78H1wt-ova, B78H1nectin, B78H1nectin-ova) に対するCD8リンパ球の殺細胞効果を見るためのMTT assayのための試薬、物品関連の購入が平成 26年度に必要となった
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