研究課題
遺伝子改変膵癌モデルマウスとpdx1-flox/floxマウスの掛け合わせによる膵発癌抑制状態の解明を予定したが、当初の予想に反し、膵癌発癌が促進されるという結果が判明した。lineage tracingによって詳細に解析すると、遺伝子変異を来した細胞以外の細胞とは由来の異なる前癌病変PanINが生じているという驚くべき結果が得られた。このマウスの腫瘍の解析を進めるだけでは十分な結論が得られないと判断、遺伝子改変膵発癌マウスと正常GFP発現マウスのキメラマウスを作成し、形成されたマウス膵癌の中にGFP陽性細胞が存在するかどうかを検討を行った。その結果、核異型および大小不同細胞形態を来したGFP陽性細胞を膵癌の中に同定することができ、何らかのシグナルを正常GFP細胞が膵癌細胞から受けて癌化したことが想定されるというこれまでの発癌の概念を覆す驚くべき結果を得た。現在、その本質を探るため、同GFP陽性細胞のepigenetic status、転移能、腫瘍形成能、その他、癌細胞の特質の同定を進めているところである。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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