研究課題/領域番号 |
25293289
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
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研究分担者 |
三高 俊広 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50231618)
水口 徹 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30347174)
目黒 誠 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50448601)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
川本 雅樹 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70404605)
巽 博臣 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70404613)
石井 雅之 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50643201)
谷水 直樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00333386)
前佛 均 札幌医科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90372820)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 細胞移植 / ヒト細胞 / 小型肝細胞 |
研究概要 |
ヒト肝幹細胞を使用する実験研究を推進するため、小動物を使用した肝幹細胞移植の基礎研究とヒト肝幹細胞採取を安全に行うための臨床研究を行った。基礎研究では肝再生置換モデルを使用しドナー細胞として小型肝細胞と成熟肝細胞を使用して再生置換効率の比較を行った(Hepatology. 2013; 57:1192-202)。また、NASH肝硬変モデルに対する肝細胞移植では、肝切除の生存率を向上させ、長期生存した個体では肝再生置換が起きていることを発見し報告した(Cell Transplant. 2013; in press)。また、ドナー細胞として多能性幹細胞の性格を示したのは新生児期の胆管上皮細胞であり、成熟胆管細胞は多能性が消失していたことを報告した(J Cell Sci. 2013; in press)。臨床研究では背景肝によって術後の合併症を予測する術前因子が異なることと予後因子も異なることを報告した(World J Surg. 2013; 37:1379-87)。術中の肝切除モニタリング法として新たな全身管理指標の有用性を報告した(Surgery. 2013; 154: 351-62, J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2014; in press)。手術の方法として、小開腹併用のハイブリット手術に関して短期の臨床成績を発表し(J Liver 2013;2:5)、右葉切除時の安全な手技に関して新たな外科機器を考案し発表した(J Am Col Surg. 2014; in press)。術前の肝機能評価法をまとめて報告する(Surg Today. 2014; 44: 1-10)とともに新たな肝切除基準を考案し報告した(Hepatogastroenterology 2013; in press)。さらに加齢に伴う肝切除術の危険性に関してメタ解析を行い、正常肝の肝切除では加齢に伴い、切除量の多い術式では危険性が高くなることを報告した(Surg Today. 2014; in press)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、ヒト肝細胞を使用した研究に移行中である。ヒト肝細胞を移植するための動物は免疫不全動物の使用を予定しており、遺伝子組み換え実験計画書類の整備や動物の移動にかかる手続きなどを遂行中である。当初目的の半分は達成されており、計画としては順調に遂行されている。今後、これらの手続きが終了次第、ヒト肝細胞を使用した実験に移行を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
ドナー細胞の年齢によって、細胞の多能性が変化したり、生着能が変化する可能性がある。この問題を打破するためには、細胞のリセットが必要になるかも知れない。当面は、成熟肝細胞の持っている可塑性や多能性を検証する。もし、成功しなければ、遺伝子操作や分離操作の工夫による細胞リセット技術を移行して、同様の研究を再実験する予定である。本学では、先行する再生医療として、神経系の幹細胞を使用した臨床治験が開始されている。GPC基準のCPCもあることから、ヒト応用に向けて、対象疾患や治療方法に関して動物で検証し、ヒト臨床における目標を並行して定めていく。
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