研究課題
ES細胞やiPS 細胞から、腸管に特異的な三胚葉系の全ての細胞で構成される「管腔状構造の蠕動運動する機能的な腸管」の臓器分化誘導に関する研究を先進的に行ってきた。本研究では、培養環境違いが臓器分化誘導に及ぼす影響に着目し、iGutを微小重力等の様々な環境下で培養し、腸管粘膜および腸管神経への分化誘導能を検討し、難治性腸疾患に対する新たな臓器再生・移植医療を実現することを目的として計画した。まず、我々の開発した腸管臓器分化誘導技術を用いて、マウスiPS 細胞(iPS-ME F-Ng-20D-17: No. APS0001; RIKEN BRC)から蠕動運動する腸管(iGut)を立体臓器として効率よく分化誘導できることを確認した。マウスiPS細胞の結果をふまえて、臨床応用を目指して、ヒトiPS細胞からiGutを効率よく作製する研究を継続した。ヒトiPS細胞から蠕動運動する機能的な腸管を効率よく作製するには至っていないものの、拍動する心筋細胞や形態的な腸管を分化誘導する培養条絞り込みには成功している。今後、マウスiGutを各種増殖因子で刺激し、腸管粘膜および腸管神経の分化誘導効率、選択性に及ぼす影響を in vitroおよびin vivo移植モデル で明らかにし、さらに難治性腸疾患の患者由来のhiPS細胞から作製したhiGutを用いて研究を進めて行く予定である。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画では、ヒトiGutを各種増殖因子で刺激し、腸管粘膜および腸管神経の分化誘導効率、選択性に及ぼす影響を in vitroお よびin vivo移植モデル で明らかにすることを予定していた。そこで、マウスiPS細胞の結果をふまえて、臨床応用を目指して、ヒトiPS細胞からiGutを効率よく作製する研究を継続した。ヒトiPS細胞から蠕動運動する機能的な腸管を効率よく作製するには至っていないものの、拍動する心筋細胞や形態的な腸管を分化誘導する培養条絞り込みには成功した。
今後、これまでの研究で得た詳細な培養条件を包括的に検討し、マウスiGutを各種増殖因子で刺激し、腸管粘膜および腸管神経の分化誘導効率、選択性に及ぼす影響を in vitroおよびin vivo移植モデルで明らかにし、さらに難治性腸疾患の患者由来のhiPS細胞から作製したhiGutを用いて継続的に研究を進めて行く予定である。
予定していた試薬および機器類を購入しなかったため残額が生じた。
平成26年度に購入を予定していた試薬および機器類を平成27年度の購入にあてる。
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Journal of Gastrointestinal Research
巻: 22 ページ: 185-192
Nature Biotechnology
巻: 32 ページ: 1223-1230