研究課題
昨年度、広範囲心筋梗塞モデルに対してNHLCSを用いた動物実験は、不整脈が頻発し安定した慢性動物実験遂行が困難であった現状を踏まえ、今年度はLVAD装着を行う心筋梗塞モデルにおいて問題となりうる同期不全現象に新たに着目した。心筋梗塞後には虚血部位において健常心筋との間に局所的な同期不全が生じることが知られている。LVAD駆動において特徴的に生じる両心室間における同期不全現象は、心筋梗塞後の虚血部位と健常心筋との間に局所的な同期不全を増悪させ、心機能の増悪に関与し得ると思われるが、これまでに詳細な機序は明らかにされていないため検討を行った。LVAD補助下においてコンダクタンス法を用いて、心室間同期不全現象の照明及び定量化を行い、NHLSを用いた適切なLVAD補助条件を選択することにより心室間同期不全現象を制御しうることを示した。これまでに広範囲心筋モデルに対してNHLCSモデルを用いた慢性実験を行うに際して、不整脈に伴う突然死が問題となり、抗不整脈薬の使用と適切なLVAD装着タイミングを選択することがその予防には重要であった。本年度得られた知見は先述した通り、LVAD駆動時における適切な補助条件を選択することにより同期不全現象の改善を可能とし、慢性動物実験における致死性不整脈の予防にも寄与するものと考えられる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Artif Organs.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1111/aor.13459
巻: 42(10) ページ: 954-960
10.1111/aor.13158
Interact Cardiovasc Thorac Surg.
巻: 26(1) ページ: 119-123
10.1093/icvts/ivx236