研究課題/領域番号 |
25293297
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
恒吉 裕史 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (40645412)
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研究分担者 |
升本 英利 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70645754)
坂田 隆造 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20325781)
丸井 晃 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60402856)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | iPS細胞 / 重症心不全 / 心筋症 / 創薬研究 |
研究概要 |
1.心筋症患者iPS細胞の樹立については、京都大学医学部附属病院「医の倫理委員会」規定に基づくiPS細胞臨床開発部の正式な手続きに則り、十分なインフォームド・コンセントおよび同意書を得られた拡張型心筋症患者の術中の皮膚生検により皮膚線維芽細胞を得る予定とした。その際に心筋組織を同時に採取し、その特性を調べて典型的な病態パターンを認識する予定とした。その情報が今後の疾患iPSにおける病態再現モデルの規範なると考えられた。現在「心臓血管手術施行患者からの切除標本を用いた心血管系細胞および組織の特性解析研究」の臨床介入研究実施計画書の作成を完了しており、今後京都大学医学部附属病院「医の倫理委員会」へ提出し、26年度内に標本採取を行い、特性解析およびiPS樹立を進める。 2.iPS細胞由来心筋組織シート作成については、単層高密度培養法をもとにした我々の心筋細胞効率的分化誘導法(Uosaki, PLoS One 2011)を応用した手法により誘導された心筋構成細胞群を温度感受性培養皿上に播種し、自己拍動性心臓組織シートを得ている(Masumoto, AHA 2012 abstract #11848)。現在疾患iPS細胞ではなく通常のiPS細胞を用いているが、より薬剤スクリーニングに適した組成の均一化した心筋組織シート作成に着手している。 3.化合物スクリーニング法については、まず多電極細胞外電位測定システム上に心臓組織シートをおき、細胞外電位波型を測定し、その波形の特徴を解析した。シート全体で同期した自発拍動の記録だけではなく、その薬物応答性評価の一つとして、創薬を考慮する際に重要な心毒性評価に着目し、検討を行った。臨床にて薬剤性QT延長作用を引き起こすE4031を用いた薬剤負荷試験を行い、細胞外電位波形にてQT(FPD)延長作用を再現できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心筋組織シート作成法の検討および心筋組織シートを用いた多電極細胞外電位測定システムでの心毒性評価については、いずれ心筋症患者iPS細胞を用いた際に必要となる手法の予備的な検討として、順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
心筋症患者iPS細胞の樹立を進めることに並行して、薬剤スクリーニングにより適したiPS細胞由来の心筋組織シートの作成方法を確立させる。心筋症患者iPS細胞の樹立後には、確立した方法での心筋組織シート作成およびその細胞外電位測定システムでの評価を行い、通常のiPS由来心筋組織シートと比較を行い、病態解明に迫るとともに、薬剤スクリーニングを行い、候補化合物をピックアップする。
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