研究課題
本研究においては、我々が最近脳卒中の関連遺伝子として報告したRNF213(Stroke 2012)を多角的に解析することを目的としている。今年度はc.14576G>A (p.R4859K) 以外に頭蓋内主幹動脈狭窄(ICAS)と関連する変異・多型が存在するか検証した。ICAS症例168例、control 141例に対し同意を得て採血を行いgenomic DNAサンプルを収集。次世代シークエンサーを用いたtarget resequenceによりRNF213の全エクソン解析を行ない、ICAS群と対照群の2群間で関連解析を行った。67の変異・多型が認められた(missense変異40、silent変異27)。関連解析の結果、疾患に有意な関連を認めたのはp.R4859Kだけであった。rare variantは18種、うちp.R4859K陰性例において10種認められた。RNF213はもともと、ICASと同じく頭蓋内主幹動脈狭窄を特徴とするもやもや病の関連遺伝子として同定された遺伝子であるが、この10種のrare variantの中に先行文献においてもやもや病関連変異として報告されたものを1種類(p.L2405F)認めた、頭蓋内動脈狭窄関連変異である可能性が示唆された(preparing for submission)。またp.R4859Kを有するICASの特徴を検証し、狭窄部位において血管径のnegative remodelingが起きていること(Surg Neurol Int in press)や前方循環動脈に有意に発症していること(in revision)を明らかにした。またp.R4859Kを有するICASの130名のwhole exome sequenceを実施しており、表現型の差、重症度に関わる遺伝子変異の同定の基盤を整えた。今後の研究の発展が期待される。候補となっている遺伝子多型に関して、別コホートにてvalidationを開始している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
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