研究課題
ヒト骨髄からフローサイトメトリーを用いてMuse細胞を単離したのち培養した。Muse細胞をヌードマウス脳梗塞モデルに定位的に大脳に移植した。Muse細胞を含む骨髄間質細胞や、骨髄間質細胞からMuse細胞を取り除いたnon-Muse細胞を同様にヌードマウス脳梗塞モデルに移植した。各群におけるヌードマウスの運動機能、高次脳機能を経時的に定量解析したのち、6週間後に組織学的評価を実施した。Muse細胞は大脳に生着して神経細胞に分化するとともに運動機能や高次脳機能の改善を促進した。これらの成果はPLOS ONE誌に掲載された。剖検から得られた骨髄の標本を用いて、骨髄中におけるMuse細胞の分布などについて組織学的評価を実施した。その結果、年齢とともにMuse細胞が減少すること、生前に化学療法を実施された例ではMuse細胞がきわめて少ないことが判明した。さらに、急性期脳梗塞患者29例を対象とした臨床研究を実施した。経時的に採血して末梢血をフローサイトメトリーに供することで、末梢血中のMuse細胞数を定量的に解析した。その結果、発症から1~4週間後にかけて末梢血中のMuse細胞数は増加すること、その増加を喫煙が抑制し飲酒が促進することが判明した。現在、これらの成果はJ Stroke Cerebrovasc誌に受理されて掲載予定(in press)である。これらの研究に付随して実施した研究では、骨髄間質細胞が神経栄養因子を産生することで神経細胞を保護していること、骨髄間質細胞から成る細胞シートが脳梗塞の治療に有用であること、抗血小板剤の一つであるシロスタゾールが脳梗塞に際に神経細胞を保護することなどを明らかとし、それぞれNeurorehab Neural Repairs誌、Brain Res誌、J Tissue Engineer Regen Med誌などに掲載された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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