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2014 年度 実績報告書

多能性幹細胞(iPS細胞)を利用した脳梗塞に対する再生医療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25293308
研究機関京都大学

研究代表者

高木 康志  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40312227)

研究分担者 高橋 淳  京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10270779)
森實 飛鳥  京都大学, 学内共同利用施設等, 助教 (10528730)
荒川 芳輝  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20378649)
谷垣 健二  滋賀県立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (70362473)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード脳血管障害学 / 再生医療 / 脳梗塞
研究実績の概要

これまで長い間傷害された中枢神経系は再生不可能とされてきたが神経幹細胞が発見され、また胚性幹細胞から神経幹細胞の分化が可能となり、さらに体細胞から多能性幹細胞(induced pluripotent cell: iPS)細胞が樹立され中枢神経系を再構築することが考えられるようになった。申請研究はHuman iPS細胞を使った脳梗塞に対する細胞移植治療を行うためのtranslational researchである。この研究ではhuman iPS細胞から誘導された神経幹細胞を使った霊長類脳梗塞モデルへの移植実験、移植後のビデオシステムによる行動解析、3T-MRIを使った移植細胞トラッキング、組織学的検討などのPre-clinical studyを行う。また効果のメカニズム解明や研究体制の整備も行い。臨床応用へのシステム作りも行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1. マウスES細胞をSFEB法で分化させ神経幹細胞のマーカーでFACS sortingを行い、viabilityや回収効率など至適条件を検討する。回収した細胞を脳虚血モデルに移植し腫瘍形成を解析する。また3T-MRIによる個体を生かしたままで腫瘍形成、生着を評価できるシステムを構築している。
2. Notch-RBP-J signalの神経管細胞分化への関与をRBP-J conditional knockout mouseにて解析している。
3. 一過性マウス中大脳動脈閉塞モデルを梗塞巣形成後も血流が維持されるモデルとして使用し永久マウス中大脳動脈閉塞モデルと移植細胞の生着範囲、分化を比較検討している。
5. 臨床応用への準備
臨床応用については、細胞の安全性より自己骨髄細胞由来細胞が用いられることが予想される。京都大学医の倫理委員会に臨床応用に向けて、必要なデータをあらかじめ準備しておく必要がある。また、京都大学細胞治療センターとは、自己骨髄細胞の採取や一時培養の可能性について検討を始めている。

今後の研究の推進方策

1.カニクイサル中大脳動脈閉塞モデルは以前共同研究者であった国立循環器病センター 林らが開発済みである。同モデルは血栓モデルであるため中大脳動脈の永久閉塞モデルとなり長期間の生存は難しい。従って今回の研究では血栓による閉塞ではなく、バルーンによる2時間の閉塞モデルを予定している。バルーン閉塞によると脳梗塞の範囲のばらつきがあるので移植は梗塞の中心である外側線状体に行う予定としているが前年度のラットの実験で変更する可能性がある。移植時期、細胞数と前処理は上記に述べたように行う。
2.カニクイサル中大脳動脈閉塞モデルを用いて骨髄間質細胞由来神経幹細胞、iPS細胞由来神経幹細胞の移植実験を行う。
3.動物実験を継続しながら、臨床試験導入のPhaseIプロトコール作成を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究はおおむね順調に経緯しているが、実験動物、消耗品が予定より少数で研究が実行できたため。

次年度使用額の使用計画

引き続き実験動物、消耗品で使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] X-linked severe combined immunodeficiency (X-SCID) rats for xeno-transplantation and behavioral evaluation.2015

    • 著者名/発表者名
      Samata B, Kikuchi T, Miyawaki Y, Morizane A, Mashimo T, Nakagawa M, Okita K, Takahashi J.
    • 雑誌名

      J Neurosci Methods.

      巻: 243 ページ: 68-77

    • DOI

      10.1016/j.jneumeth.2015.01.027

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Isolation of human induced pluripotent stem cell-derived dopaminergic progenitors by cell sorting for successful transplantation.2014

    • 著者名/発表者名
      Doi D, Samata B, Katsukawa M, Kikuchi T, Morizane A, Ono Y, Sekiguchi K, Nakagawa M, Parmar M, Takahashi J.
    • 雑誌名

      Stem Cell Reports.

      巻: 2 ページ: 337-50

    • DOI

      10.1016/j.stemcr.2014.01.013

    • 査読あり
  • [学会発表] 脳虚血における神経幹細胞研究の歴史と現状2014

    • 著者名/発表者名
      高木康志
    • 学会等名
      第26回日本脳循環代謝学会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2014-11-21
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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