• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

腫瘍幹細胞由来エクソソーム解析による脳腫瘍形成機序解明と新規診断・治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25293311
研究種目

基盤研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

溝口 昌弘  九州大学, 大学病院, 講師 (50380621)

研究分担者 吉本 幸司  九州大学, 大学病院, 講師 (70444784)
中溝 玲  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80529800)
天野 敏之  九州大学, 大学病院, 助教 (70448413)
秦 暢宏  独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, その他 (10596034)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード脳腫瘍 / グリオーマ / microRNA / エクソソーム
研究概要

新たな解析法high resolution melting (HRM)法導入と新規神経膠腫の遺伝子解析:HRM法を用いてIDH1/2、BRAF、H3F3A遺伝子変異を簡便、高精度な解析法を確立した。本年度に新規登録された46例の神経膠腫(GBM23, AA2, AO2, DA6, OD2, GS1, others10)に対し、LOH解析、IDH1/2遺伝子変異解析を施行した。
Mesenchymal, Proneural marker遺伝子発現解析:さらにproneural (BCAN, DLL3, OLIG2, NCAM1, NKX2-2, ASCL1)、mesenchymal (YKL40, VIM, CD44, TRADD, RELB, PDPN)の12遺伝子発現解析に基づきproneural type、mesenchymal type、その他に分類した。
腫瘍幹細胞分離と異種動物移植モデルの作成:膠芽腫に対しては、幹細胞培養を継続した。さらに1例の長期継代幹細胞を樹立した。本年度18匹のマウス移植モデル作成に着手した。U87では腫瘍形成がみられたが、樹立した幹細胞では腫瘍形成がみられなかった。
新たなmicroRNA発現解析:新規脳腫瘍関連microRNA (miR-9, 10b, 22)の発現解析をおこない、mi-9, 10b発現はmesenchymal typeで有意に低下していた。microRNAが形質転換に関与する可能性が示唆され、遺伝子型とmicroRNA発現の関連が示唆された。
分泌型miRNAの分離、解析:培養細胞、動物モデル、臨床症例より、分泌型miRNAの解析を開始した。動物モデルでは、心房穿刺による全血採取後、全血清またはエクソソーム分離後にmiRNAを分離した。分泌型miRNAを含有する血液標本を蓄積し、分泌型miR21高発現を同定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

遺伝子解析に基づく腫瘍の再分類は可能となり、microRNA発現と遺伝子型の相関が明らかとなりつつある。本年度は、動物移植モデルの作成に時間と費用を要した。そのため、摘出標本において脳腫瘍形成に関わる新たなmicroRNAが同定できたが、その動物モデルでの証明は困難であった。

今後の研究の推進方策

培養細胞、動物モデル、臨床症例から分泌型microRNA採取を継続する。microRNAの機能解明の為、in vitro、in vivoの実験系を確立する。特にマウス移植モデルの作成を確立させることに重きをおき、研究を進める。

次年度の研究費の使用計画

脳腫瘍(膠芽腫)手術症例より適宜、摘出標本より幹細胞培養をおこない、腫瘍幹細胞分離を試みている。さらに幹細胞が確立できたものに対して、動物移植モデルの作成に取りかかっており、本年度は次年度使用額が生じた。
実施計画に則り、適宜幹細胞分離、動物移植モデルを作成し、解析対象標本の蓄積、実験系の確立をすすめる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 神経膠腫におけるmicroRNA発現異常と遺伝子異常の検討2013

    • 著者名/発表者名
      溝口 昌弘、吉本 幸司、村田秀樹、波多江龍亮、赤木洋二郎、天野 敏之、中溝 玲
    • 学会等名
      第31回日本脳腫瘍学会
    • 発表場所
      宮崎
    • 年月日
      20131208-20131210
  • [学会発表] 膠芽腫における遺伝子発現解析の意義ー膠芽腫治療に対して有用な情報を与えるかー2013

    • 著者名/発表者名
      吉本幸司、村田秀樹、波多江龍亮、赤木洋二郎、天野敏之、中溝玲、溝口昌弘
    • 学会等名
      第31回日本脳腫瘍学会
    • 発表場所
      宮崎
    • 年月日
      20131208-20131210
  • [学会発表] 神経膠腫におけるmicroRNA発現解析の意義2013

    • 著者名/発表者名
      溝口 昌弘、吉本 幸司、村田秀樹、波多江龍亮、秦 暢宏、天野 敏之、中溝 玲
    • 学会等名
      日本脳神経外科学会第72回学術総会
    • 発表場所
      神奈川
    • 年月日
      20131016-20131018
  • [学会発表] High grade glioma 診断における遺伝子解析の役割2013

    • 著者名/発表者名
      溝口昌弘、吉本幸司、秦暢宏、村田秀樹、波多江龍亮、天野敏之、中溝玲、鈴木論、岩城徹、佐々木富男
    • 学会等名
      第31回日本脳腫瘍病理学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130525-20130525

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi