研究課題/領域番号 |
25293324
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
亀井 直輔 広島大学, 大学病院, 病院助教 (70444685)
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研究分担者 |
味八木 茂 広島大学, 大学病院, 講師 (10392490)
中佐 智幸 広島大学, 大学病院, 病院助教 (60467769)
越智 光夫 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70177244)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脊椎脊髄病学 / 筋・神経病学 / 運動器外傷学 / 関節病学 / 再生医学 |
研究概要 |
各種運動器損傷モデルに対して血管新生マイクロRNA投与実験を行い、その中で半月板損傷モデル、腱損傷モデル、脊髄損傷モデルにおいて血管新生促進作用を持つmiR-210の投与で組織修復促進効果が確認できた。半月板損傷モデルではコントロール群(無機能siRNA投与群)に比べて、miR-210投与群で局所での血管新生が促進し、半月板欠損部が早期に線維性組織にて架橋された。アキレス腱損傷モデルに対するmiR-210投与ではコントロール群に比べて、腱断裂部での瘢痕形成が少なく、良好な腱組織で修復された。脊髄損傷モデルに対するmiR-210投与では、コントロール群に比べて損傷後早期のアストログリオーシスが促進され、F4/80陽性のマクロファージが集積している面積が小さく、血管新生、軸索伸長および髄鞘形成も促進され、後肢運動機能の回復が促進された。損創部におけるmiR-210の発現は投与後7日までコントロール群に比べて有意に高く、投与したmiR-210が十分に細胞内に取り込まれている可能性があり、in situハイブリダイゼーションによる評価でもmiR-210投与群では損傷部とその周囲においてmiR-210の高発現を認めた。ターゲット遺伝子ではPTP1BやEFNA3の発現が有意に低下していた。TUNEL染色やCaspase3の発現評価から損傷部におけるアポトーシスが抑制されており、miR-210投与によるPTP1BやEFNA3の発現抑制による血管新生促進や神経保護作用が脊髄修復に促進的に働いた可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り各種運動器損傷モデルに対する血管新生マイクロRNAの投与実験を行い、その中でmiR-210投与による半月板、アキレス腱、脊髄の修復促進を確認できた。脊髄損傷モデルの実験結果に関してはすでに雑誌Spineに投稿し、アクセプトされた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに結果が得られている内容に関しては論文にまとめて発表予定である。また、当初の計画どおり、各種運動器損傷モデルにおける組織特異的マイクロRNAの探索と組織修復への効果についての評価を行い、血管新生マイクロRNAとのベストミックスの検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年度に予定していた各種運動器損傷モデルに対する血管新生マイクロRNAの投与実験のうち、作用機序に関する研究が一部終了せず、次年度で継続することになったため 投与したマイクロRNAのターゲット遺伝子を探索するため、real-time PCRとウェスタンブロットを行う
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