研究課題
本研究の目的は厚生労働省指定難病である間質性膀胱炎について、臨床的・病理学的・分子生物学的観点から、これがいくつかの病型に分類可能なことを明らかにすることである。我々のこの3年間の研究において、以前から提唱していたように、間質性膀胱炎がHunner型間質性膀胱炎(以下Hunner type IC)、非Hunner型間質性膀胱炎(以下non-Hunner type IC)、およびそのどちらでもない客観的所見に乏しい過知覚膀胱(Hypersensitive Bladder:HSB)の3型に分類可能であることの裏付けとなる研究成果を得ることができた。臨床所見からは間質性膀胱炎に対する治療で唯一保険適応となっている膀胱水圧拡張術に対するHunner typeとnon Hunner type ICでの反応性の違いを報告した。症例数は既報告の中で最大数である。また、病理学的知見からは、平成26年度は免疫染色をより高度に解析することが可能なTissue Studioを用いて、Hunner type ICの一部でリンパ球有意の炎症が特異的であることを我々の研究チームが発見し、論文で報告した。分子生物学的観点からは、マイクロアレイを用いて患者膀胱組織でのマイクロRNAの網羅的解析を行っているが、現在は解析が終了し、追加研究として、in situ hybridizationを行っている。これについてのnon Hunner typeとHunner typeでは著しい発現の差を認めるmiRNAがあり、本年中に論文化する予定である。3つの病型が臨床的に違うだけでなく、病理学的、分子生物学的にも相違すること、またこれらの所見が各病型で一致することについて、系統的に研究を行っている研究班は国際的に類を見ず、今後も病型分類がテイラーメイド医療につながることの啓蒙を行う予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
Neurourology and urodynnamics
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International Journal of Urology
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