研究課題/領域番号 |
25293336
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
植村 天受 近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
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研究分担者 |
デベラスコ マルコ 近畿大学, 医学部, 助教 (20449838)
南 高文 近畿大学, 医学部, 助教 (70340809)
原田 守 島根大学, 医学部, 教授 (50260716)
吉村 一宏 近畿大学, 医学部, 准教授 (20283757)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 腎細胞がん / 癌ワクチン療法 / ペプチドワクチン / EPOR / HIF-1 / PDL-1 |
研究概要 |
25年度は、EPOR、HIF-1、PDL-1の候補ペプチドに対し、TAP deficient 細胞CIRを用いて、ペプチド特異的CTLスクリーニングアッセイ(IFN-γ releasing assay)を行い、絞り込んだクラスIペプチドワクチン候補ペプチドを近畿大学医学部と共同研究施設である島根大学医学部免疫学教室と共に同じアッセイ系を用いて51Cr release cytotoxicity assay (CTL assay)を行ってきた。各分子の抗原特異性とHLA-A2およびA24拘束性の日本人由来の腎細胞癌培養細胞株KPK-13(HLA-A24+, A2-)、KK-RCC 6(HLA-A2+, A24+), KK-RCC 4(HLA-A2-, A24-)をendogenousな抗原発現標的細胞として、CTL検査に使用した。CTL誘導能に関してPDL、EPOR、HIF-1の3種類についてはHLA-A2402拘束性ペプチドの絞り込みを行い、EPORの候補ペプチドを1種類ERPRー24TM2を決定した。ERPR-24TM2(シークエンスは特許申請中のため公表できない)はHLA-A24/2陰性のKK-RCC4(EPOR強陽性)とHLA-A24陽性・A2陰性のKPK13(EPOR強陽性)に対するCTL殺細胞効果を6人のHLA-A24陽性腎細胞癌担癌患者から得られたPBMCに対し強い殺細胞効果示した。PDL1についてもHLA-A24拘束性のペプチドを1種類に絞り込みCTLアッセイを終了し、特許申請準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マルチペプチドワクチンとして開発中の5種類のワクチンであるが、今回EPORについてはHLA-A24拘束性epitopeを決定し、特許申請中で、論文投稿も終了し、J Immnol PharmにPublishされた。また、残りの2分子(HIF-1、PDL-1)に関しては、PDL1もHAL-A24拘束性ペプチドを同定し、特許申請準備中で、HIF1に関しては担癌患者からのPBMCを用いたCTLアッセイを行っている。HIF1が終結すれば、5分子によるマルチペプチドワクチンの完成となり、予定どおり期間内に遂行できそうである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終目的は、各ペプチドのワクチンとしての安全性・有効性を臨床的に示したうえで、マルチペプチドワクチンとしての安全性・有効性について、臨床的に示すことである。今回の結果から、EPORワクチンはできるだけ早急に臨床試験のプロトコールを作成し、倫理委員会に提出のうえ、Phase-1試験の準備にはいる。また、他の分子においても特許申請が終わり次第、GMP grade peptideを合成し、Phase-1臨床試験の準備をする。
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次年度の研究費の使用計画 |
実臨床の第1相試験で用いるペプチドは、GMPグレイドのため合製に多額を要し、また、アジュバントのISA51も非常に高額であるため、H26~27年度に予定している第1相試験を考慮して温存した。 すでに特許申請の済んだEPO-R1と今年度特許申請を予定しているPDL1ペプチドを用いて、第1相臨床試験を計画する。
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