研究実績の概要 |
27年度は、EPOR、HIF-1、PDL-1の候補ペプチドに対し、TAP deficient 細胞CIRを用いて、ペプチド特異的CTLスクリーニングアッセイ(IFN-γ releasing assay)を行い、絞り込んだクラスIペプチドワクチン候補ペプチドを近畿大学医学部と共同研究施設である島根大学医学部免疫学教室と共に同じアッセイ系を用いて51Cr release cytotoxicity assay を行ってきた。各分子の抗原特異性とHLA-A2およびA24拘束性の日本人由来の淡明細胞腎癌培養細胞株KPK-13(HLA-A24+, A2-)、KK-RCC 6(HLA-A2+, A24+), KK-RCC 4(HLA-A2-, A24-)をendogenousな抗原発現標的細胞として、CTL検査に使用した。CTL誘導能に関してPDL、EPOR、HIF-1の3種類についてはHLA-A2402拘束性ペプチドの絞り込みを行い、EPORおよびPDL1の候補ペプチド各1種類を決定し特許申請おこなった(特願2014-189312、-196099)。 残りのHIF-1分子に関して、ペプチドを2種類に絞り込み、担癌患者からのPBMCを用いたCTLアッセイの結果、CTL活性は低いものの特異性が高いことからワクチン候補のペプチドHIF1-hmを決定した。また、本研究の最終目的は、各ペプチドのワクチンとしての安全性・有効性を臨床的に示したうえで、マルチペプチドワクチンとしての安全性・有効性について、臨床研究の計画をすることである。今回の結果から、できるだけ早急にHIF-1ペプチドワクチンの特許申請を行い、臨床試験のプロトコールを作成し、Phase-1試験の準備にはいる予定である。
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