研究課題/領域番号 |
25293340
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
塩沢 丹里 信州大学, 医学部, 教授 (20235493)
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研究分担者 |
鈴木 昭久 信州大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (10547095)
浅香 亮一 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (00623688)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | サイクリンA / 子宮内膜癌 / 分子標的薬 / 低分子化合物 |
研究概要 |
サイクリンAはG1/S,G2/M期に関与するサイクリンであり、我々はこれまでに、子宮内膜癌においてサイクリンAの高発現が予後不良因子であり、シスプラチン耐性増強にも関与することを報告してきた。そこで10000種類の化合物ライブラリーから、Ishikawa細胞でのサイクリンAの転写抑制作用のスクリーニングを行った。その結果、サイクリンAの転写活性を最も低下させた化合物(以下、単に化合物)を見出し、この化合物が、他の子宮内膜癌・卵巣癌・乳癌の細胞株においてもサイクリンA転写抑制と増殖抑制の効果を示すことを確認した。次に、ヌードマウスにおける子宮内膜癌細胞株HEC1Bの皮下異種移植腫瘍を用い、化合物の抗腫瘍効果を検討した。この化合物は水にもエタノールにも溶けにくいことから、まず投与経路と溶媒の検討を行った。これまで腹腔内注射、尾静脈注射で1~100mg/kg/weekで水を含め種々の溶媒で検討を行ったところ、20~50mg/kg/week投与で腫瘍縮小効果が得られる場合もあったが、安定した効果は得られず、一方、有害事象は続出した。経口投与においても安定した結果が得られなかった。最終的に単純に水に懸濁し後頸部皮下注射で化合物単剤を100mg/kg/week投与したところ、4回投与後には有意に投与群での腫瘍縮小効果(840±340 vs 340±233 cm3, p=0.043)を認めた。この投与法では安定した効果が得られており、また現在まで有害事象も確認されていない。In vivoにおいても本化合物の抗腫瘍効果が確認されつつあり、子宮内膜癌治療に対する有望なリード化合物であることが示された。 今後、化合物がサイクリンA転写抑制に作用するための真の標的分子の同定し、さらにaffinityを増した誘導体の合成を目指して研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
化合物の安定した効果が得られる投与方法・経路を見出せた。本投与法での有害事象も現時点では確認されず、本化合物について更に研究を進めることは有意義であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に当初の研究計画の通りに遂行する。In vivo での検討、特にシスプラチンとの併用効果・副作用について既に検討を開始している。また化合物はサイクリン転写抑制効果を示すが、真の標的分子は明らかではない。そこで物質Xの副作用に対する検討を行う。また、更に適切な投与経路、また、他の抗癌剤との併用効果についても検討する。具体的には研究計画・方法で示したように「FD beads法」と質量分析を併用し、化合物の標的分子を同定する。この準備は順調に進行している。
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