研究課題
平成26年度に引き続き、侵襲Zのマウスの解析を行った。まず侵襲Zは、遺伝子導入などを必要としない点で、非常にシンプルに妊娠高血圧症候群のモデルマウスを作りえる。そこで、これが普遍的に作成できる条件設定、およびdeviceの開発を行うことが今後の研究課題となると考えた。既存のヒトの医療品を利用することにより侵襲Zと同様の効果を得ることができた。その結果、侵襲Zを行うための手術はそれまで1匹15分程度かかっていたが、deviceの開発により1匹約5分で可能となり、手術そのもによるストレスを減らし侵襲Zのみの影響をより効果的に観察、解析することができた。さらに、このマウスの中期的、長期的予後の解析も行った。まず妊孕性が侵襲Zを行った妊娠期間以降も妊娠、分娩できる事を確認した。侵襲Zを行った分娩後も緩序に血圧が上昇し続けることが分かった。非妊娠マウスでは血圧上昇を認めなかった。日本妊娠高血圧学会でも、「妊娠高血圧症候群既往女性のlater life(中高年)は,高血圧,脳・心血管障害やメタボリックシンドローム,その他,腎疾患などを発症しやすい。」ため「妊娠高血圧症候群罹患妊婦は母体の長期予後に重篤な影響を与えているので,長期間の観察が必要である。」としている。この侵襲Zを加えたマウスは上記のとおり分娩後も緩序に血圧が上昇し続けることにより高齢妊娠での妊娠高血圧症候群を高血圧の部分では模倣している。侵襲Zマウスは長期予後に変化を認める高齢妊娠における妊娠高血圧症候群のマウスのモデルたりえると考える。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Sci Rep
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