研究課題/領域番号 |
25293346
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柿木 章伸 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60243820)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 耳鼻咽喉科 / 耳科学 / メニエール病 / 内リンパ水腫 / 抗利尿ホルモン / アクアポリン / OCT |
研究概要 |
メニエール病の病理組織学的な特徴は内リンパ水腫である。この内リンパ水腫形成に抗利尿ホルモン(VP)と水チャネル(アクアポリン)の関与に関して臨床および基礎研究成果を報告してきた。しかしながら、腎臓で認められるような抗利尿ホルモンによるアクアポリン2 の制御に関する直積的な報告は未だない。また、内リンパ水腫を確認するには組織学的手法によるが、通常の方法では組織作成時にアーチファクトが問題となり、厳密な内リンパ水腫の計測は行えない。本研究では、これらを踏まえた上で、モルモットを使用し、内リンパ水腫形成にかかわる抗利尿ホルモンとアクアポリンの関連を分子生物学的手法を用いて明らかにすることと、アーチファクトの無い厳密な内リンパ水腫の評価に関しての研究を行こなった。 モルモットにおける蝸牛血管条のアクアポリン2(AQP2)の発現に関する研究では、蛍光抗体法を用いてAQP2の発現を観察したところ、モルモット血管条では自家蛍光が強くAQP2タンパクを同定することができなかった。 アーチファクトの無い厳密な内リンパ水腫の評価に関しての研究は、OCTを用いて内リンパ嚢閉塞術を行った実験的内リンパ水腫モルモットの蝸牛を観察した。側頭骨をホルマリン固定した後、EDTAで脱灰しOCTで観察したところ、HE標本と比べ組織作成時に発生するアーチファクトの無い組織像を得ることができた。内リンパ水腫もしくは側頭骨研究に新たな観察方法を加えることが出来た研究成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モルモットにおける蝸牛血管条のアクアポリン2(AQP2)の発現に関する研究では、蛍光抗体法を用いてAQP2の発現を観察したところ、モルモット血管条では自家蛍光が強くAQP2タンパクを同定することができなかった。このため、次年度に自家蛍光を減少させた状態で同様の実験をしなければならない点が予定よりも遅れている。 アーチファクトの無い厳密な内リンパ水腫の評価に関しての研究に関しては予定通りである。
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今後の研究の推進方策 |
モルモットにおける蝸牛血管条のアクアポリン2(AQP2)の発現に関する研究では、蛍光抗体法を用いてAQP2の発現を観察したところ、モルモット血管条では自家蛍光が強くAQP2タンパクを同定することができなかった。このため、次年度に自家蛍光を減少させた状態で同様の実験を行い、研究の遅れを取り戻す予定である。 アーチファクトの無い厳密な内リンパ水腫の評価に関しての研究に関しては予定通りであるので、同様の手技を用いて抗利尿ホルモンが内リンパ水腫形成に関与するか否かの研究を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
効率かつ効果的に執行を行ったため 消耗品費等の物品費に使用する予定である。
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