研究課題
遺伝性難聴の根本的治療法は皆無であり、新た治療戦略を必要としている.。本研究では内耳幹細胞治療法とウイルスベクターによる内耳遺伝子導入法という2種類の独自に開発したアプローチを組み合わせ、独自の遺伝性難聴モデルに適用する。主に標的とするのは蝸牛線維細胞・支持細胞および同細胞で機能するコネキシン(CX)26遺伝子(GJB2)である。この治療による聴力回復に関する有効性と安全性を評価する。本研究では、多種多様な欠損細胞を一元的に修復する治療法としてi)欠失した遺伝子の導入とii)骨髄間葉系幹細胞および成人細胞から樹立可能な新規多能性幹細胞iPS細胞(induced Pluriopotent Stem Cell)の移入を我々の作製した遺伝性難聴モデルマウスへ適用し安全性・有効性評価を行うことにより、これまで皆無であった遺伝性難聴の根本的治療法を開発することを目的とした。これまでの研究では遺伝性難聴モデル、コネキシン26欠損マウスの蝸牛内へ半規管から投与した移植間葉系幹細胞を蝸牛へ誘導させる効率を飛躍的に増強させることに成功した。更にこれらの細胞が蝸牛組織内で標的の蝸牛細胞へ分化誘導されていることが示唆された。更に骨髄間葉系幹細に加えて人工多能性幹細胞iPS細胞(induced Pluriopotent Stem Cell)を用いた新規細胞移植法をアデノ随伴ウイルス(AAV)による遺伝子導入と複合的に応用することにより高音領域を有意に聴力改善させることに成功した。また新生仔マウス(生後0日齢)へのCX26遺伝子を搭載したAAVの投与によりCX26欠損マウスの聴力を有意に改善させることに成功した(Hum Mol Genet, 2015)。さらにCX26(GJB2)変異患者への細胞治療法の臨床応用を目指し、iPS細胞からCX26発現細胞への分化誘導法の開発を試みた。その結果CX26およびCX30を発現する内耳前駆細胞様細胞への分化誘導が確認された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 9件)
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