研究課題/領域番号 |
25293360
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
家入 里志 九州大学, 大学病院, 講師 (00363359)
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研究分担者 |
田口 智章 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20197247)
橋爪 誠 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90198664)
大平 猛 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (00275695)
富川 盛雅 九州大学, 大学病院, その他 (60325454)
宗崎 良太 九州大学, 大学病院, 助教 (10403990)
植村 宗則 九州大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (50636157)
小幡 聡 九州大学, 大学病院, その他 (30710975)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療・福祉 / 外科 / 臨床 |
研究概要 |
平成25年度は主に視覚補償システムの開発とその臨床的有用性の検証を行った。 現在開発を行っている視覚補償システムは,内視鏡下手術において鉗子によって遮蔽される患部の視覚情報を補償するシステムである.通常用いる医師の視点となる内視鏡に加えて補償用の内視鏡を使用することで,鉗子によって遮蔽されている患部の映像を撮影する.補償用の内視鏡で撮影した映像に処理を加え,医師の視点となる画面内の鉗子に重畳することで,疑似的に手術器具が透明になったような拡張現実感を実現する. 導入に際して,視覚補償システムの術具抽出は持針器に塗布した青色の認識により実現した。 平成25年度に現在開発を行っている視覚補償システムの有用性評価の実験を行った。 本実験では,鉗子によって患部が遮蔽されやすい動作として逆針に着目した.逆針を行った際,遮蔽により運針の様子が観察できないため,縫合針の刺出誤差が増加すると予想される.そこで,視覚補償により逆針の刺出誤差が減少することを検証すべく,3 条件のタスクを実施した.順針(視覚補償なし),被験者は逆針(視覚補償なし),逆針(視覚補償あり)の3 条件において,右側の鉗子(持針器)で把持した縫合針で目標点間の連続運針を行った.対象はすべて小児外科医とした。 Novice では術具遮蔽領域の提示による逆針の刺出誤差の増減に対して有意な差が認められなかった.Instructor では術具遮蔽領域の提示による逆針の刺出誤差の減少に対して5%の水準で有意差が認められた.これらの結果から,Instructor においては,提案手法による遮蔽領域の提示を行うことで,正確かつ安定した縫合が可能になっていると考えられる.したがって,本来術具によって遮蔽される領域の刺出点の確認に対して有用であることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
視覚補償システムの開発とその臨床的有用性の検証は行いすでに基本的なシステムの構成はできている。 小切開対応小児外科ロボットに関しては、スレーブの開発を行って現在のところ針をもって運針可能なレベルの操作性が確保されている。マスターの操作性が課題である
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今後の研究の推進方策 |
現在の視覚補償システムの開発とその両輪で進めている小児外科用の小切開対応の内視鏡手術ロボットはスレーブ側の開発を進めている段階であり、今後画像誘導技術とのインテグレーションが必要となる。またロボットの操作性にかかわるマスターの開発はCGの段階であり、今後はマスターの開発を重点に勧めていく予定である
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次年度の研究費の使用計画 |
25-26年度にかけて、視覚補償システムの開発とその臨床的有用性の検証のための動物実験を繰り返し行うため。 視覚補償システムの開発とその臨床的有用性の検証のための動物実験を継続する。
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