• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

立体三次元構築法を用いた末梢神経交叉移行術後における可塑的神経再生経路の検討

研究課題

研究課題/領域番号 25293362
研究機関新潟大学

研究代表者

柴田 実  新潟大学, 医歯学系, 教授 (50196432)

研究分担者 松田 健  新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50423166)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード末梢神経 / 神経交叉 / 立体三次元 / 再構築 / 神経再生 / 神経可塑性
研究実績の概要

1.研究担当の大学院生が退学したため新たな大学院生が担当することになり、26年度は研究の進行が予定より遅延してしまった。
2.担当予定者は大学院入学の前に主たる研究者とともにできる研究準備としてできうる限りの事を行った。
3.Whole mount標本作製のため神経交叉モデル作製が必要であるがマウスの筋皮神経、尺骨神経はラットのそれらに比べ遥かに小さく、神経縫合操作にも通常のマイクロサージャリーに用いる手術器具では適切ではなく、ウルトラマイクロサージュリーと呼ばれる更に微細な器具が必要であることが確認された。これらの器具を新たに購入し現有のマイクロ-サージャリー手術用の顕微鏡で限界近くの倍率で手術操作を行い、神経縫合には11-0の縫合糸を用いなければならなかった。主たる研究者直接指導の下に末梢神経の剥離、神経切離、交叉縫合の練習を重ねたが安定して良好な交叉モデルの作製が困難との結論に至った。
4.より、操作が簡便で安定性の高い交叉モデルが作製可能な方法として神経交差部の神経断端接着に臨床試用されているフィブリン糊を用い,接合前に神経に通しておいた直径0.5mmの人工神経を用いて神経交叉接合部をチュービングする方法を採用する事になった。この操作が担当大学院生が適切に施行できることを確認した。
5.共同研究を行っている解剖学教室で各種神経トレーサーの特徴を学び、まずは手術していない新鮮マウスを用いて末梢神経支配髄節レベルの検討をはじめたが、これまではラットおよびヒトの支配髄節レベルと同様である可能性が高い結果が得られている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1.26年度にこれまで担当してきた大学院生の進路変更による退学のため、新たに本実験担当が可能となる大学院生候補者を発掘し、受験・入学にいたるのに時間を要した。
2.27年4月に予定者が大学院入学し、今年度の研究準備が整った。
3.入学前より,モデル動物のラットを用いて神経交叉術の練習を繰り返し行い、モデル作製に必要な技術を習得した。

現時点で長期経過モデル作製段階に入っている。

今後の研究の推進方策

実験動物は予定通りマウスを用いてwhole mount標本で三次元的に神経再生経路を検討する。交叉モデルの作製にはフィブリン糊を用いて神経断端の接合をおこない、この接合部を人工神経でチュービングし、再生神経線維の逸脱を防御する。
現時点の検討結果からは神経トレーサーとしてDiIを用いる予定である。
マウスモデルで筋皮神経と尺骨神経を上記の方法を用いて神経交叉し、術後4週、8週、12週で神経トレーサーを導入し,環流後に頚部神経根から腕神経叢を含んだ全体標本を作製し,共焦点顕微鏡を用いて再生神経経路を立体三次元構築して神経再生経路を検討し、神経可塑性作用の有無を検討する。交叉モデルは筋皮神経近位断端に尺骨神経遠位断端を接合したモデルと尺骨神経近位断端に筋皮神経遠位断端を交叉した2種類モデルを作製する。

次年度使用額が生じた理由

筋皮神経および尺骨神経が極めて細く、高倍率顕微鏡を用いても交叉縫合が予想外に困難であり,より簡便で確実な新たな神経接合手技を確立するのに時間を要した。

次年度使用額の使用計画

モデル作製に必要な材料としての高価なフィブリン糊、人工神経を必要量購入する。十分なモデル数を作製し,長期観察を行う。3次元解析に必要なソフトウエア-、全体標本を連続的に一定量ずつ自動移動するstaging装置を購入する。実体顕微鏡を購入し,三次元的解析を行うが必要であれば蛍光カメラを購入し,蛍光トレーサーを用いた神経再生経路の検討も行うが,これと並行して,共同使用できる共焦点顕微鏡を用いて立体的解析を行う。
解析結果をもとに立体3次元プリンターを用いて神経再生経路モデルを作製する。

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi