研究課題
国際共同研究提携先であるバングラデシュ国ボグラ大学で検体収集実務担当者の異動があり、さらに同大学でICU新規開設が予定された。この二つの理由により外傷および敗血症症例の研究検体収集が一時頓挫した。ICU開設を待つ期間に、外傷および敗血症と同様の生体反応を引き起こす心停止・蘇生(虚血/再灌流障害)症例での研究を進めた。心停止・蘇生で易血栓性DICが起こる事は既に証明して公表しているが、その前段階のDICに関する研究を行い、凝固亢進(易血栓性)に到る前に線溶亢進が起こることを解明した。すなわち、心停止・蘇生に伴い血管内皮細胞が低酸素・虚血に陥るが、この刺激により血管内皮細胞Weibel Palde小体からtissue-type plasminogen activator (t-PA)が遊離し、フィブリン・フィブリノゲン分解が起こる。この結果血中FDP/D-dimerが高値となることが判明し、線溶亢進型 DICが引き起こされる。このDICは易血栓性を持つ線溶抑制型DICに移行することを証明した。この両DICにより全身性炎症反応症候群、多臓器不全が惹起され、これらがDIC発症症例の予後を不良としていることを証明した。この研究成果は国際学会で発表し、さらに論文としてThrombosis Research誌(易血栓性DIC)およびThrombosis Journal誌(易血栓性に到る全段階の線溶亢進型DIC)で発表した。2017年初頭にボグラ大学からICU開設の報告があり、現在外傷および敗血症の易血栓性DICに関する研究を再開続行中である。研究期間は終了したが、他の競争的資金を使用して研究完遂を目指している
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件)
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