研究課題/領域番号 |
25293376
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
羽毛田 慈之 明海大学, 歯学部, 教授 (90164772)
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研究分担者 |
佐藤 卓也 明海大学, 歯学部, 講師 (00316689)
沢村 達也 独立行政法人国立循環器病研究センター, その他部局等, 部長 (30243033)
金田 利夫 星薬科大学, 薬学部, 講師 (70339521)
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
岡安 麻里 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (10610941)
伊東 順太 明海大学, 歯学部, 助教 (40609096)
林田 千代美 明海大学, 歯学部, 助教 (40710900)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 破骨細胞形成 / 炎症性骨吸収 / LOX-1 / 細胞融合 / RANKL産生 / 骨芽細胞 |
研究概要 |
本年度は、LOX-1 knockout (KO)マウスを用い、LOX-1の破骨細胞形成および炎症性骨吸収に対する役割を明確に明らかにした。Soluble RANKLとM-CSFによるin vitroの破骨細胞形成において、LOX-1 KOマウス破骨細胞はWTマウス破骨細胞と同等の破骨細胞関連分子の発現を示すにもかかわらず、WTマウスに比べLOX-1マウスは前破骨細胞の細胞融合が促進し破骨細胞形成が増加した。また、LOX-1 KOマウス大腿骨の海綿骨量はWTマウスと比較して減少した。しかし、scavenger receptor class A欠損はin vitroの破骨細胞形成に影響を及ぼさなかった。一方、頭蓋骨にLPSを局所投与し炎症性骨吸収を誘導したところ、LOX-1 KOマウスではLPSで惹起されるRANKL発現上昇がWTマウスに比べ有意に低下し、それと平行して、破骨細胞関連分子の発現上昇および骨吸収も低下していた。これらは炎症部位でのRANKL発現がLOX-1に依存していることを示している。また、3遺伝子型マウスの炎症部でのalkaline phosphatase mRNAの発現パターンはRANKLを含む破骨細胞関連分子の発現パターンと一致したことから、LOX-1依存性RANKL発現細胞の1つとして骨芽細胞が考えられた。そこで、WTとLOX-1 KOマウスの頭蓋骨から骨芽細胞を分離し、WT破骨細胞前駆細胞と共存培養して破骨細胞形成を検討した。骨芽細胞のLOX-1発現を確認後、共存培養系で、WT骨芽細胞とWT破骨細胞前駆細胞をIL-1βとPGE2で処理することによって大きく促進した破骨細胞形成は、LOX-1 KO骨芽細胞とWT破骨細胞前駆細胞の共存培養系では減少した。これと一致して、骨芽細胞のIL-1βとPGE2処理によるRANKL発現がWTに比べLOX-1 KO骨芽細胞で低下した。これらの結果は炎症に応答して破骨細胞形成を支持する骨芽細胞の能力がLOX-1欠損によって損なわれることを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画と特に大きく進展したのは、炎症性骨吸収に対するLOX-1の役割が明確になり、骨芽細胞のRANKL産生が大きくLOX-1に依存していることを明らかにした点である。また、その詳細な分子メカニズムは不明な点が多いが、破骨細胞分化および炎症性骨吸収に対するLOX-1の働きの全体像は、1年目で把握できた。
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今後の研究の推進方策 |
破骨細胞の細胞融合に対するLOX-1の役割の分子メカニズムに関しては、LOX-1と全く正反対な働きを持つLow-density Lipoprotein Receptor (LDLR) knockout (KO)マウスおよびLOX-1とLDLR double KOマウスとLOX-1 KOマウスとで比較検討する。 また、骨芽細胞におけるRANKL産生のLOX-1依存性の分子レベル解明に関しては、LOX-1の骨芽細胞特異的なKOマウスを作製し、そのconditional LOX-1 KOマウスから解析を進める。また,LOX-1 KOマウスと野生型マウスを用いたin vivo実験から、実験的に関節リウマチを発症させ炎症性骨破壊に対するLOX-1の役割を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画していたquantitative real-time RT-PCR用のThermal cyclerは、本研究課題のメンバー以外の本学研究者の現有機器の使用頻度が少なく、現有機器で十分使用できることがわかり、機器の購入を見送った。そのため、次年度使用額が生じた。 使用を見送った金額を、骨芽細胞および破骨細胞特異的LOX-1 conditional KOマウスの作製に際し必要となる,LOX-1遺伝子をloxPで挟み込んだfloxマウスの作製、および、type I collagenプロモーターにCreをつけた骨芽細胞-Creトランスジェニックマウスとはcathepsin KプロモーターにCreをつけた破骨細胞-Creトランスジェニックマウスの購入に充てたい。さらに、関節リウマチ(RA) 実験的モデルマウスに用いる高額な関節炎惹起用抗体カクテルとLPSの購入量を増やし、実験で用いる動物数を増やして結果を確実なものにする。
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