研究課題/領域番号 |
25293382
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阪本 真弥 東北大学, 大学病院, 講師 (90157686)
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研究分担者 |
小玉 哲也 東北大学, 医工学研究科, 教授 (40271986)
青木 孝文 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80241529)
伊藤 康一 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (70400299)
森 士朗 東北大学, 大学病院, 講師 (80230069)
飯久保 正弘 東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (80302157)
小嶋 郁穂 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80447169)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ナノバブル / 超音波 / リンパ節 / 転移 / ボリュームレジストレーション |
研究概要 |
1)我々が開発した恒常的にヒトのリンパ節と同等の大きさ(長径約10㎜)の腫脹リンパ節を有するMXH10/Mo-lpr/lprマウスの系統維持・繁殖を行い、リンパ節腫脹マウスモデルとして使用した。MXH10/Mo-lpr/lprマウスのセンチネルリンパ節として腸骨下リンパ節に腫瘍細胞を接種したところ、約4日後に腸骨下リンパ節に固形腫瘍が生着し、約1週間後に腋窩リンパ節への転移が確認できた。この転移リンパ節のマウスモデルが安定して作製できることを繰り返しの実験から確認し、腸骨下リンパ節および腋窩リンパ節で腫瘍が増大していく経時的な変化を生体発光イメージングシステムで調べた。 2)尾静脈からヘパリンを背部に皮下注射した後、マウスを開胸して下大静脈を切断、左心室から造影剤を注入し、灌流を行った。灌流後のマウスから腸骨下リンパ節、腋窩リンパ節を摘出し、マイクロCT撮影を行ったところ、微細な血管網が明瞭なマイクロCT像の撮影に成功した。 3)H26年度以降は、転移リンパ節の病理組織所見を検討し、微小な転移部位を特定し、リンパ節の実験動物用CT画像とルーペ像のボリュームレジストレーションを試みる。さらにナノバブルと高周波超音波システム取得した画像を高精度かつ高速に三次元位置合わせできるボリュームレジストレーション法の開発を目指す。 4)現在、上記研究成果をヒトの微小転移リンパ節への診断に臨床応用することを目的に、頭頸部がん患者の頸部リンパ節の術前の種々の3D画像と切除したリンパ節のルーペ像とのボリュームレジストレーションに関する臨床研究を開始すべく、倫理委員会に書類を提出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
センチネルリンパ節として腸骨下リンパ節に腫瘍細胞を接種したところ、腸骨下リンパ節に固形腫瘍が生着し、その後、腋窩リンパ節へ高い確率で転移することを確認することができた。この方法で作製した転移モデルマウスの左心室に造影剤を注入後、灌流を行い、腸骨下リンパ節、腋窩リンパ節を摘出した。それぞれのリンパ節の造影マイクロCT画像を撮影し、リンパ節の血流の評価に適切な撮影条件を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
造影マイクロCT撮影後のリンパ節の凍結ブロックから凍結切片を作成し、微細な転移の腫瘍細胞と血管内皮細胞を病理組織学的に観察する。 微小な転移部位を特定し、リンパ節の実験動物用CT画像とルーペ像のボリュームレジストレーションを試みる。すなわち、マイクロCT画像と病理組織切片の比較を行い、高精度かつ高速に三次元位置合わせできるボリュームレジストレーション法の基礎データを得る。さらにナノバブルと高周波超音波システム取得した画像を高精度かつ高速に三次元位置合わせできるボリュームレジストレーション法の開発を目指す。 本研究成果をヒトの微小転移リンパ節への診断に臨床応用することを目的に、頭頸部がん患者の頸部リンパ節の術前の種々の3D画像と切除したリンパ節のルーペ像とのボリュームレジストレーションに関する臨床研究を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究の成果として学術論文にカラー掲載希望で投稿し、投稿と印刷に掛かる経費を計上していた。年度内に論文はアクセプトされたが、雑誌社から投稿と印刷の費用の請求が年度内に間に合わなかったため、支払いができなかった。また、抗体などが研究室にあったものを使用でき、2013年度の物品費を減額できた。 上記理由によるため、新年度には本研究の成果として、学術論文のカラー掲載に掛かる費用を繰り越した次年度使用額から支払う。残高がさらに生じた場合は、抗体など2013年度に購入しなかったため、2014年度に)不足する物品購入に充てる。
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