研究課題
本研究では、リンパ節微小転移検出のため、造影超音波画像、造影CT画像を三次元的に位置合わせするボリュームレジストレーション法を開発し、精確にリンパ節内外の血管構築を解析できる手法を確立することを目的とする。画像のマッチングは特徴ベースマッチングと領域ベースマッチングの二つに大別される。Scale-Invariant-Feature-Transform(SIFT)に代表される特徴ベースマッチングは、画像中の特徴点を検出し、その周囲の局所領域に対して局所記述子を定義し、局所記述子の距離に基づいて画像間のマッチングを行う手法である。Phase-Only Correlation(POC)に代表される領域ベースマッチングは二つの画像間変位を算出し類似度もしくは相違度を評価する。本研究においては、両手法を用いて、リンパ節腫脹マウスのリンパ節の造影超音波画像の評価に不要な画像を除去、補正し、造影剤投与前後の輝度情報や輝度情報の時間変化による分散値で高精度に血管情報を算出するアルゴリズムを作成し、造影マイクロCTと比較した。その結果、マウスの呼吸等による動きに伴う画像のずれやノイズを除去することができた。本解析手法により、マウスのリンパ節内の血管を精確に抽出でき、リンパ節微小転移の検出に応用可能であることが示唆された。さらに、本法のリンパ節微小転移の診断への臨床応用を目的にリンパ節転移モデルの微小転移病巣の造影マイクロCT画像を撮影した。本研究では2種類のルシフェラーゼ発現細胞株を使用し、生体発光画像解析装置で微小転移を確認し特徴のある三次元構築画像が取得できた。このマイクロCT画像の取得に使用した転移リンパ節を病理組織学的に解析した結果、マイクロCT画像は病理組織学的所見を反映していたが、リンパ節内の血流動態の検証は困難であった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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