• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

副作用のない癌抑制法の検討:活性型BRAKによる癌の転移抑制シグナルの解明

研究課題

研究課題/領域番号 25293384
研究種目

基盤研究(B)

研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

畑 隆一郎  神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), その他 (10014276)

研究分担者 前畑 洋次郎  神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (80410009)
居作 和人  神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (90257296)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード癌抑制分子 / ケモカインCXCL14/BRAK / 発癌抑制 / 転移抑制 / 寿命の延長
研究概要

今後の癌研究における大きなテーマは、患者に負担の少ない、副作用のない治療法の開発と致死率を高める癌転移を抑制する方法の開発である。我々の研究はこの2つの問題点の解決を目指して計画された。
本年は我々の作成したCXCL14/BRAKを標準より10倍ほど過剰に発現するトランスジェニック(BRAK Tg)マウスを用いて、癌の転移抑制機構と寿命延長に対する作用について検討した。BRAK TgマウスとWtマウスの尾静脈より3x10の3乗から2x10の5乗の悪性黒色腫の細胞を注入し、 一定期間後に肺の黒色腫の数を数えた。すべての細胞数においてBRAK Tgマウスの方がWtマウスより肺への転移数が有意に少なく、 かつ、 生存率が高かった。さらに、注入腫瘍細胞数が減少するほど両者の生存率の差は大きくなり、注入細胞数3x103x10の3乗ではWtマウスの生存率が50%に対してBRAKTgでは100%であった。
ケモカインCXCL14/BRAKは正常細胞で大量に合成されており、健康人でもBRAKTgレベルの発現をしているヒトが存在したので、 今後の副作用のない新しい癌の抑制法開発のための有望な分子標的と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ケモカインCXCL14/BRAKは正常細胞で大量に合成されており、健康人でもBRAKTgレベルの発現をしているヒトが存在したので、CXCL14/BRAKは副作用のない癌抑制法の分子標的として有望であることが示された。

今後の研究の推進方策

ケモカインCXCL14/BRAKが発癌過程、癌増殖過程、転移過程のすべてにおいて抑制する、多機能癌抑制分子であることを明らかに出来たので(論文投稿中)、CXCL14/BRAKの癌抑制の分子機構を明らかにする事が重要であると考えられる。

次年度の研究費の使用計画

活性型CXCL14/BRAKの精製純度が目的の純度にに達しなかったので、純度を上げる検討をしている。そのために分子構造解析の費用が未使用となった。
活性型CXCL14/BRAKの精製後に活性型CXCL14/BRAKの構造解析に使用する。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 再生医療、癌治療とビタミンC2013

    • 著者名/発表者名
      畑 隆一郎
    • 雑誌名

      ビタミン

      巻: 87 ページ: 639-641

  • [学会発表] Fasudil Suppresses Head and Neck Squamous Cell Carcinoma Growth by Stimulating Gene Expression and Secretion of the Chemokine CXCL14/BRAK2013

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto C., Ozawa S., Takahashi S-S., W-Takahashi S., Yoshino F., Lee M-C., Hata R-I., Maehata Y.
    • 学会等名
      Pharmacology 2013
    • 発表場所
      London, England,
    • 年月日
      20131217-20131219
  • [学会発表] A novel mechanisms of Wnt/beta-catenin signal activation by p632013

    • 著者名/発表者名
      Kato I. Fukunishi N. Fujimuro M. Hata R. Kurata S
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20131003-20131005
  • [学会発表] CXCL14/BRAK is a multifunctional tumor suppressor2013

    • 著者名/発表者名
      Hata R. Sasaki S. Kato Y. Mukaida N
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20131003-20131005
  • [学会発表] Tumor-Suppressing Chemokine CXCL14/BRAK is a Cell-Surface Associated Matrix Component2013

    • 著者名/発表者名
      HataR.Izukuri K. Kato Y
    • 学会等名
      9th Pan Pacific Connective Tissue Societies Symposium
    • 発表場所
      Hong Kong
    • 年月日
      20130924-20130927
    • 招待講演
  • [学会発表] ケモカインCXCL14/BRAKは多段階癌抑制分子である2013

    • 著者名/発表者名
      畑 隆一郎, 居作 和人, 加藤 靖正
    • 学会等名
      第55回歯科基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      20130920-20130923
  • [学会発表] 癌に強くなる遺伝子の 発見2013

    • 著者名/発表者名
      畑 隆一郎,居作 和人,加藤 靖正, 佐々木 宗一郎, 向田 直史
    • 学会等名
      第86回日本生化学会大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130911-20130913
  • [学会発表] PubMedを過信してはいけない2013

    • 著者名/発表者名
      畑隆一郎, 居作和人, 加藤靖正
    • 学会等名
      第45回日本結合組織学会 学術大会•第60回マトリックス研究会大会合同学術大会
    • 発表場所
      和歌山
    • 年月日
      20130628-20130629
  • [学会発表] 再生医療、癌治療とビタミンC

    • 著者名/発表者名
      畑 隆一郎
    • 学会等名
      日本ビタミン学会市民公開講座
    • 発表場所
      秋田
    • 招待講演
  • [学会発表] CXCL14のプロモーターのメチル化は頭頚部扁平上皮癌に対するセツキシマブの抗腫瘍効果に 関与する

    • 著者名/発表者名
      近藤忠雄, 小澤重幸, 生駒丈晴, 鈴木健司, 前畑洋次郎, 宮本千央, 畑隆一郎,久保田英朗
    • 学会等名
      神奈川歯科大学学会第48回総会
    • 発表場所
      横須賀
  • [学会発表] 頭頸部扁平上皮癌における ROCK 阻害剤による CXCL14/BRAK を介した抗腫瘍効果の検討

    • 著者名/発表者名
      宮本千央,生駒丈晴,小澤重幸,高橋俊介,高橋聡子,吉野文彦,吉田彩佳,畑隆一郎,李 昌一,前畑洋次郎
    • 学会等名
      神奈川歯科大学学会 第 143 回例会
    • 発表場所
      横須賀

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi