研究課題
金属アレルギーは増加傾向にある。金属は、材料学的特性からも扱いやすく、歯科領域では、差し歯や銀歯とよばれる補綴治療をはじめとして金属が使用され、患者のQOLを高めてきた。しかしその一方で、金属によるアレルギー性皮膚炎が誘導される場合が報告されてきた。これまで、金属アレルギーは、適切な動物モデルがなかったことから、発症に至る時系列的な解析が行われておらず、その病態はよくわかっていなかった。また、動物モデルがなかったために介入実験も行われておらず、診断や治療に役立つ情報も得られていなかった。そこで本研究は、申請者が開発した動物実験モデルを用いて、金属アレルギーについてその発症の分子機構を明らかにし、新規診断・治療法の開発へ向けた理論的基盤を確立することを目的とした。これまで、金属アレルギー動物モデルを用いて、NK細胞、NK受容体に着目して研究を進めてきた。NK細胞上に発現するNKG2Dは、活性化受容体である。NKG2DはNK細胞のみならず、T細胞にも発現しており共刺激分子として機能している。金属アレルギーモデルを解析したところ、NKG2Dを発現しているT細胞が増加していること、抗NKG2D抗体により、金属アレルギーの症状が緩和することが明らかとなった。さらに、マーモセットのNKG2Dのクローニング、NKG2Dリガンドのクローニングに成功し、その遺伝子を用いた遺伝子導入細胞の樹立に成功した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Immunopharmacology
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