研究課題
本研究では、顎関節円板の変形と転位を主徴とする顎関節症の発症機序を解明するため,(1) 咬合改変によってラット顎関節円板に機械的刺激 (圧縮力) を負荷する in vivo実験系と円板由来培養細胞への伸展刺激を負荷する in vitro実験系を用いて、顎関節組織・細胞の主要な細胞外基質のタンパク質とmRNAの局在および発現への機械的刺激の影響について解明することであった.1)in vivo実験系の結果:① 関節円板の厚径は,実験群において後方肥厚部では顕著な増加がみられた.② 関節円板のGAG量は対照群と比べ,挙上後14日以降で有意に増加した.③ 関節円板における各proteoglycanのmRNA発現は,biglycanでは14日目以降,decorinでは28日,versicanでは21日以降,およびcondoroadherinでは14日目以降で,対照群と比較して有意に高い値を示した.④ Western blottingにおいても上記基質のたんぱく質発現の亢進がみられた.⑤ 関節円板の免疫組織学的観察において,対照群では中央狭窄部から前方肥厚部においてversicanに対する中等度の免疫反応を認めたが,実験群では後方肥厚部でversicanに対する強い免疫反応を認めた.2) In vitro実験系の結果:関節円板培養細胞に4時間と12時間の10%伸展負荷を行いversican,aggrecan,fibromodulin,I型collagenのmRNA発現の増加したが,tropo-elastin,lumican,decorinのmRNA発現は減少した.以上のことから,成長期ラットの関節円板では,生力学環境変化により形態変化を生じることが明らかとなった.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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