研究課題
基盤研究(B)
歯周病は慢性の炎症性疾患であるが、その疾患進行には個体差が認められる。そして、その疾患感受性には生体側の因子が大きく関与していると考えられている。当教室では、現在までに様々な候補遺伝子のSNP研究を行ってきたが、確定的な結論は得られていない。本研究は歯周炎患者の臨床サンプルを扱う研究であり、事前に倫理審査委員会に申請し、ヘルシンキ宣言およびヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針に基づき研究を行った。現在までに、侵襲性歯周炎患者の2症例でDNAエクソーム解析を行っている。血縁者同士で解析した場合には、同じ遺伝子を多数持つために変位を見つけにくいと予測し、血縁関係のない2名を選択し解析を行った。その結果、被験者1では163180個の変位が、被験者2では146378個の変位が得られた。この10万を超す変異の中から候補遺伝子の絞り込みを行うことは困難であり、候補遺伝子の絞り込みを行うために、サンプル数を増やすことも必要であるが、疾患未発症近親者のDNAとの比較解析が必要であることが判明した。東京医科歯科大学歯周病外来では、毎日150人の歯周炎患者の来院数があり、また新患患者も1日あたり10人程来院する。本年度の侵襲性歯周炎患者の新患数は、50症例であり、その中で本研究に同意された患者さん45名から同意書取得後、末梢血から採血を行った。サンプリングには、採取された検体は、個人識別情報管理者により連結可能匿名化された後に、血液中の有核細胞からDNAを採取回収した。採集したDNAは-80度にて冷凍保存した。
2: おおむね順調に進展している
侵襲性歯周炎患者のゲノムは着実に収集されており、予定数まで採取を続ける予定である。
現在、東京医科歯科大学バイオリソースセンターにおいて、エクソーム解析の準備している。
サンプル数を確保してから解析を行うことにしたため、解析のための研究費が次年度に繰り越しとなった。昨年度に予定していたエクソーム解析を本年度に行うため、その実験試薬代として計上している。
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Proteomics
巻: 13 ページ: 2339-2350
10.1002/pmic.201200510
Peptides
巻: 47 ページ: 60-65
10.1016/j.peptides.2013.06.010
Bone
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