研究課題/領域番号 |
25293437
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
松谷 美和子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (60103587)
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研究分担者 |
平林 優子 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (50228813)
佐居 由美 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (10297070)
三浦 友理子 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (70709493)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 看護教育学 / 看護実践能力 / 臨床実践能力 / 看護学士教育 |
研究概要 |
看護学生の看護実践能力の到達目標の明確化に資するために、全国の看護系学部・学科(193校)の各領域代表の看護系大学教員を対象とした質問紙調査を実施した。質問紙は、当該研究代表者が行った文献検討(松谷他,2010)、1年目・2年目・新人看護師の指導経験をもつ看護師への面接調査結果〔それぞれ(松谷他,2012)・(三浦,松谷他,2014)・(高屋,松谷他,2013)〕、新人看護師研修担当者調査から明らかになった看護実践能力を基盤として作成した。 【研究結果】配布数1257、回収数345(回収率27.4%)、有効回答343(有効回答率99%)であった。回答者の年令は30代(23.3%)、40代(35.9%)、50代(29.4%)、職位は教授(25.1%)、准教授(21.3%)、講師(20.1%)、助教(29.2%)、最終学位は博士号(37.1%)、修士号(56.0%)、学士号(6.2%)であった。専門領域は基礎看護学(16%)、生涯発達看護学(60.1%)、精神看護学(6.4%)、地域看護学(8.5%)、臨床経験年数は平均9.7±6.5年(範囲0~38年)であった。臨床実習と看護実践とのギャップは67%の教員が大きいと回答し、臨床実践能力を重要と回答した教員は97%であった。質問紙では、看護実践能力55項目に対して①卒業生への期待度、②平均的な卒業生の実力、③卒業生の能力としての重要度の3側面から6段階で回答を求めた。得点可能範囲は55-330であり、得点が高いほど期待度、予測実力、重要度が高いことを意味する。期待度の平均は254±26.1、予測実力の平均は209.0±30.1、重要度の平均は270.7±31.1であった。また、55項目について期待度-予測実力の差の合計は-55~+233で分布し、差の平均は45.2±31.2で期待度が高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の調査結果の公表(学会での口演、専門誌への投稿)をこれから実施する。
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今後の研究の推進方策 |
看護系大学看護学生の看護実践能力の自己評価に用いることのできる測定尺度の開発を行う。このため、全国の看護系大学のうち完成年次を過ぎている約200の大学を対象に、4年次生5名、合計1000名を対象とした自記式質問紙調査を10月までに実施する。データを分析し、関連要因との関係を示し、尺度の有用性を因子構造の分析等により確認する。開発した看護学生用看護実践能力尺度の使用目的、測定方法、測定値の解釈等についての解説をまとめ、看護系大学看護学生の看護実践能力のモデル図を完成し公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
前倒し申請後に、25年度分として予定していた予算以上に出張旅費が必要となり、26年度の使用分と併せて使用することとしたため、次年度使用額が生じることとなった。 旅費発生の目的が、次年度の企画内容を含むものであるため、次年度の旅費と併せて使用する計画である。
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