研究課題/領域番号 |
25293439
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研究機関 | 日本赤十字広島看護大学 |
研究代表者 |
川西 美佐 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (80341238)
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研究分担者 |
山内 豊明 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20301830)
土屋 文人 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (30114565)
三林 洋介 東京都立産業技術高等専門学校, その他部局等, 教授 (10409899)
吉田 文子 佐久大学, 看護学部, 教授 (80509430)
服部 智子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教 (60707082)
堂本 司 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (80707084)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 注射事故防止 / 看護学 / 医療安全 / 視線計測 / プロセス解析 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、研究目的2)「『安全・安心』に注射実施ができるための、看護基礎教育における人材育成ツールを開発する」に取り組んだ。 1.注射処方箋に記載されている文字を1文字ずつ正確に視て読むための方法として「なぞり読み」が有効であると考え、人材育成ツールの開発として、なぞり読みを習得するためのトレーニングツールの作成に取り組んだ。 2.注射処方箋のなぞり読みの習得に対する到達目標を次の3点とした。1)注射処方箋のなぞり読みができる。①文字列の文頭から文尾まで、1文字ずつ指でなぞる。②文字のなぞりと視線の移動が一致する。2)注射処方箋のなぞり読みにより、記載事項を正確に読み取ることができる。①薬品名を正確に認識する。②投与量と単位を正確に認識する。3)注射処方箋のなぞり読みにおける自己のエラー傾向を自覚し注意ができる。①自己のエラー傾向を認識できる。②自己のエラー傾向に注意して読める。 3.「注射処方箋なぞり読みトレーニングツール」は、学習者が「いつでも、どこでも、何度でも納得できるまで」トレーニングができるよう、スマートフォンを用いて学習できるアプリ形式とした。アプリの画面構成はトレーニングモードとテストモードとした。トレーニングモードは、1セット10問で構成され、下線を指でなぞると文字が表れ、その文字を正確に読めたかについて4択のクイズで確認する。クイズの問題ごとの正答と1セットの正答数が表示される。テストモードは、1セット10問で構成され、注射処方箋の表記をなぞり読みし、その表記を正確に読めたかについて4択のクイズで確認する。クイズの問題ごとの正答と1セットの正答数が表示される。また、なぞり結果をなぞり率として確認できる。 4.「注射処方箋なぞり読みトレーニングアプリ」は平成28年12月に完成した。アプリ完成により、研究目的2)の中心的な取り組みは達成できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究目的2)「看護基礎教育における人材育成ツールを開発する」について、研究開始当初は「注射処方箋なぞり読みトレーニング」の教材DVDを作成する計画であった。しかし、学習者がトレーニングしやすく、かつ確実になぞり読みが習得できるためのツールになるよう、アプリの開発に計画を変更した。「注射処方箋なぞり読みトレーニングアプリ」の作成には、アプリのコンセプト作り、画面構成、問題作成、試行が必要となり、当初計画より時間を要したため、完成が平成28年12月になった。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、平成27年度に着手した「注射処方箋なぞり読みトレーニングアプリ」の洗練化に取り組む。また、並行して、アプリの学習履歴の分析方法の検討と、「注射処方箋なぞり読みトレーニングアプリ」を活用したアクティブラーニングの検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
「注射処方箋なぞり読みトレーニングアプリ」の作成が平成28年12月まで延長したため、アプリ運用のためのサーバー構築とアプリ利用による学習履歴の分析ツールの作成を平成28年度に行うことになり、サーバー構築費と分析ツール作成費を翌年度に持ち越した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に、アプリ運用のためのサーバー構築とアプリ利用による学習履歴の分析ツールの作成を行う。
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