研究課題/領域番号 |
25293441
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒尾 晴惠 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50326302)
|
研究分担者 |
田墨 惠子 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (80572312)
山下 亮子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90646788)
小林 珠実 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (50382263) [辞退]
小池 万里子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40737516)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 化学放射線治療 / 頭頸部がん / 口腔粘膜炎 / 疼痛 |
研究実績の概要 |
本年度は粘膜炎の予防や疼痛への介入状況の実態や積極的な疼痛緩和が実施されていない背景を明らかにするための調査を行った。 1.医師・看護を対象にした調査:【目的】頭頚部がん患者の化学放射線療法に伴う口腔粘膜炎に対する医師・看護師の鎮痛剤の使用並びに早期からの疼痛緩和を阻害している要因を明らかにすること。【方法】対象者は、化学放射療法を行う頭頸部がん患者の診療やケアを実施している医師や看護師のうち、研究協力の同意が得られた者。半構造化面接を実施、録音後逐語録を作成して内容分析を行なった。【結果】3施設から医師9名(頭頸部医師5名、放射線治療医師4名)、看護師7名の調査を終えた。疼痛緩和を阻害している要因としては、頭頸部がん患者のキャラクター、麻薬に対する恐れ、防ぎようがない強い症状、看護ケアの責任の自覚不足があった。 2.患者を対象にした追加調査:【目的】口腔粘膜炎の予防や鎮痛剤の使用並びに早期からの疼痛緩和を阻害している要因を明らかにすること【方法】20歳以上の頭頸部がん患者で、照射野に口腔・咽頭、大唾液腺が含まれている対象に、疼痛の出現時と治療終了後の2回面接を実施した。面接内容は録音し、逐語録を作成したのち内容分析した。【結果】5名の対象者に対して、それぞれ2回の面接調査を終了した。1回目の面接では、治療開始時、オピオイドに対する抵抗、痛みは我慢したいという思いが要因として抽出された。2回めの面接では、自ら見つけ出した効果的な口腔ケアを行うための工夫が語られ、その効果を実感して自分の意思でセルフケアを継続したことが語られた。しかし、方法は自らあみ出したもので、妥当性が判断できず試行錯誤であったことが語られ、具体的な方法の指導に関する医療者の説明不足が要因として挙がった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度に計画していた化学放射線治療をうける頭頸がんの治療とケアに関わる医師・看護師への調査は予定通り終了した。しかし、口腔粘膜炎疼痛緩和ケアパッケージの作成には至らなかったため、当初の計画よりやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画では、最終年度となる平成27年度は、口腔粘膜炎疼痛緩和ケアパッージの臨床適応を行い、効果を検討することであった。26年度に完成予定であった、口腔粘膜炎疼痛緩和ケアパッージの作成が遅れていることから、早期にケアパッケージを作成し内容妥当性の確認を行なう。専門看護師の協力を得て行うケアパッケージの内容妥当性の確認では、放射線治療看護認定看護師の協力も得て、早期に内容妥当性の確認ができるようにする。その上で、口腔粘膜炎疼痛緩和ケアパッージの臨床適応を行う。臨床適応にあたっては、放射線療法単独で外来治療をしている頭頸部がん患者も対象とすることで、対象者を広げて効果の確認を行なう。
|
次年度使用額が生じた理由 |
26年度に実施予定であった、口腔粘膜炎疼痛緩和のケアパッケージの作成と内容妥当性の検討が遅れていたために、経費の余剰が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
27年度に口腔粘膜炎疼痛緩和のケアパッケージの作成と内容妥当性の検討を行なうために使用する。
|