研究課題/領域番号 |
25293443
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研究機関 | 青森県立保健大学 |
研究代表者 |
織井 優貴子 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (50285681)
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研究分担者 |
渡邉 知子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20347199)
長内 志津子 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (70458165)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | expressive writing / 無作為比較試験 / 唾液アミラーゼ法 / がん患者サポート / ストレス / QOL評価 / ファシリテータ育成 / caring |
研究実績の概要 |
本研究では、東北地区のがん看護に関連する認定看護師、専門看護師を中心としたがん患者サポートグループを立ち上げ「筆記療法」を主体とした通院中のがん患者サポートとして関わるファシリテータの育成と、地域連携型の「がん患者サポートネットワーク」を構築することを目的とする。具体的には、「筆記療法」を主体とした研修を受けたファシリテータが、通院しながら治療を受けているがん患者に対して「筆記療法」を用いて介入し、QOL・自己効力感への長期的な効果を検証すると共に、「がん患者サポートネットワーク」を通して東北地区のがん看護およびがん医療の質の向上を目指すものである。 本年度は以下を実施した。 1.研究協力施設の選定と研究協力依頼 東北地区のがん診療連携拠点病院および平成26年度に実施した『がん患者サポートのためのファシリテータ養成講座』アドバンストコース」に参加した看護師の勤務する医療施設53施設を対象に、本研究への参加協力を依頼した。 2. 東北における「地域開放型 がん患者のサポートグループ」のニーズ調査結果のまとめ 前年度に行った「地域開放型 がん患者サポートグループ」に対する質問紙調査の結果をまとめた。本調査では、東北地区のがん診療拠点病院に通院する患者を対象に、がん患者の抱える悩みごとを、身体的側面、精神・心理的側面、社会的側面について、「医師」「看護師」「家族」「友人」「同じ病気を抱えている人」の誰に一番に相談したいと考えているかを調査した。その結果、身体的側面、精神・心理的側面共に乳第1位は医師であり、次は家族に相談したい、という結果となった。本調査で、「看護師」「医療相談室等の窓口」で相談したいと考えている人はごく少数であり、相談室の充実を図る国の方針と、患者の意思は異なる結果となった。 3.がん看護における「ケアリング」行動を測定する指標の日本語版の作成を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究における平成26年度の計画は、1.東北における「地域開放型 がん患者のサポートグループ」のニーズ調査のまとめ 2.がん看護における「ケアリング」行動の意識調査結果の解析とまとめ 3.研究協力施設の選定および研究協力依頼 4.研究協力施設におけるがん患者に対する「筆記療法」を用いた無作為比較試験の開始、であった。このうち、1-2は、ほぼ予定通り終了しているが、研究協力施設の確保に困難を極めた。
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今後の研究の推進方策 |
1.研究組織の再編 所属機関を異動したことから研究組織を再編し研究遂行し、国際学会における研究成果の発表、および研究動向の把握に努める 2.研究分担者の再編所属機関の異動に伴う新所属機関への研究倫理審査申請の実施ー所属機関を異動したことから、今後の研究継続のために研究組織の見直しを行い、2名を削除し2名を新たに加えた。異動した研究機関での研究倫理申請を行い研究倫理審査承認後研究を再開する。すでに内諾後の研究協力機関に対し状況を説明し、必要時研究協力施設での倫理審査を再度申請し、研究協力継続が可能となるように努める。 3.研究協力施設の拡大ー郵送による研究協力依頼を53施設に実施したが研究協力内諾は3施設にとどまった。各施設の研究倫理申請が必要であることから研究開始まで時間を要している。当初、東北地区各県2~3施設を予測したが、実際には研究協力が得られず、再度依頼を行う。また研究代表者が関東地区に異動したことから研究対象地区を関東甲信越地区も含め拡大し研究遂行に努める。 4.がん患者に対する「筆記療法」を用いた無作為比較試験の開始ー対象:研究協力施設に通院中のがん患者各施設60名(介入群30名,コントロール群30名)とする。方法:研究協力者となる看護師を対象にサポートプログラムのファシリテートの方法を指導し、研究対象者に「筆記療法」による介入を無作為比較試験にて実施する。必要時、研究協力医療施設の倫理審査を受けた後実施する。 5. 研究対象施設のにおけるファシリテータのフォローアップ(個別および集団)ー研究開始にあたり、初回は必ず研究代表者または研究分担者が同席し、患者への依頼等について確認する。2回目以降は、各施設は2-3か月に一度フォローアップする。研究協力施設のファシリテータに対して、集団として年1回程度フォローアップを実施し、ファシリテータの質の均一化を図る。
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