【目的】回復期リハ病棟入院中の脳卒中患者に対し、脳卒中再発予防を目的とした看護師による患者教育を実施し、その有効性を検討した。 【方法】回復期リハ病棟に入院中のmodified Rankin Scale:0~4の脳卒中患者をリクルートし、ランダムに介入群、対照群に分けた。介入群には、担当看護師が、1週間に2回の計8回(1ヶ月間)+退院1週間前に1回の脳卒中再発予防教育プログラムを面談(1回につき30分から60分程度)にて提供した。評価指標は、生理学的指標、心理学的指標、生活習慣などとした。 【結果】33人に参加依頼を行い、24人の同意を得た(同意率:72.7%)。無作為化により介入群、対照群とも12人ずつに分けた。 ベースライン、介入終了時点および介入1ヶ月後での、2群間における生理学的指標、心理学的指標には有意な差がなかった。しかしながら、介入後の退院1ヶ月後の生活習慣のうち、「血圧測定」習慣は対照群(3.33±1.80)と比較し、介入群(5.00±0.00)の方が有意に多かった(p=.003)。 【考察】本研究の介入群の対象者は、介入後の退院1ヶ月後に、対照群と比較して血圧測定習慣が有意に高くなったことから、看護師の患者教育の有効性が示唆されたと考える。入院中から患者教育により、食事管理、運動管理、服薬管理、セルフマネジメントの知識を獲得し、自宅退院後には血圧測定習慣を獲得することができることにより、脳卒中の再発・重症化を予防することにつながると考える。 【結論】回復期リハ病棟入院中の脳卒中患者に対する看護師の患者教育により、対照群と比較し、介入後の退院1ヶ月後に血圧測定習慣が有意に高くなった。
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