研究課題/領域番号 |
25293452
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
春名 めぐみ 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00332601)
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研究分担者 |
島田 三惠子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40262802)
松崎 政代 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40547824)
白石 三恵 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50632220)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 産後 / 就労 / 健康 / 骨盤底機能障害 / 子育て / セルフケア |
研究実績の概要 |
研究1では、産後女性の心身の機能と障害による生活活動や社会参加制限状況を把握することを目的に以下を実施した。 子育て自己効力感尺度の開発として、Karitane Parenting Confidence Scale(KPCS)の許諾を得て、日本語版の作成、内容妥当性の検討を行った。質問紙調査に向け、産後の就労女性の健康問題について文献レビューを行い、調査内容を検討した。文献レビューの結果、睡眠障害をはじめ、産後の生活や就労への影響があり、健康問題を生じるリスクが高い要因について抽出し、調査票を作成した。調査施設の検討を行い、倫理審査委員会への倫理審査書類を作成した。 研究2では、産後女性に対する包括的健康支援プログラム(骨盤底障害予防・回復、セルフケア)を開発し、プログラムの継続率を調べ、身体的・心理的効果をランダム化比較試験により比較検証することを目的に以下を実施した。 ベースライン調査の準備として、日常生活活動の制限やそれに伴う骨盤底機能障害のQOLやセルフエフィカシー等を含む質問紙の作成とプログラムや評価を実施するフィールド調整を行った。プログラム評価のための測定尺度、検査項目の設定し、超音波診断装置を用いた評価方法のマニュアル作成を行った。骨盤底筋機能回復の効果的な方法とされているバイオフィードバック法を併用した骨盤底筋体操プログラムの内容・方法について検討し、プログラム実施マニュアル・バイオフィードバックのアルゴリズムの最終版を作成した。倫理審査を経て、リクルート及び介入試験を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査研究については、調査内容についての十分な検討を行ったため、時間を要したが、方針を定め、ほぼ調査票を作成することができた。調査施設の協力を得ることができれば、順調にデータを収集できると考える。また介入研究については、慎重にプログラム内容と評価方法を検討し、フィールド調整をし、リクルートと介入試験を開始できており、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究1「産後女性の心身の機能と障害による生活活動制限や社会参加状況」についての調査では、産後就労女性の生活習慣・活動状況とその関連要因、就労女性における子育て自己効力感と関連要因/子育て自己効力感尺度の開発に加えて、ひとり親家庭の母親における健康問題と就労状況についても調査したいと考えている。また栄養や睡眠については、妊娠期における摂取不足や障害が問題となることから、これまでの調査の二次解析から必要に応じて、調査対象に加えることを検討する。 研究2「産後女性に対する包括的健康支援プログラム」についての研究では、引き続き効果的な骨盤底筋体操プログラムの実施と評価を行い、さらに栄養・生活改善プログラムの開発についても検討したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究1として調査研究、研究2として介入研究を柱として計画しており、研究を開始・遂行できているものの、人を対象とした研究であり、フィールド調整を含めて準備に時間を要したため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究1の調査研究では、産後就労女性(項目によっては妊婦を含む)への質問紙調査、尺度開発のための調査、ひとり親家庭の母親への調査を計画しており、調査票の配布・回収、協力者への謝品、データ解析に伴う費用等を支出する予定である。 研究2の介入研究では、引き続き効果的な骨盤底筋体操プログラムの実施と評価を行うため、インストラクターへの謝金、調査者の交通費等の支出の予定があり、さらに栄養・生活改善プログラムの開発のための費用の支出を予定している。
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